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同性でも淫行事件になる? | コラム | 刑事事件の弁護士なら横浜の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所

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同性でも淫行事件になる?

同性でも淫行事件になる?

同性でも淫行事件になるのかどうかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

~事例~

川崎市中原区に住んでいる会社員の男性Aさんは、15歳の男子高校生VさんとSNSを通じて知り合いました。
そして、2人は親しくなって実際に会うようになり、そのうち、Vさんが性的な行為に興味があると言っていたことをきっかけにして、わいせつな行為をするようになりました。
ある日、AさんとVさんが川崎市中原区内にあるホテルで会い、わいせつ行為をした後に2人でホテルを出たところ、巡回していた神奈川県中原警察署の警察官が2人を発見。
職務質問をしたところ、2人がわいせつな行為をする関係であることが分かり、Aさんは神奈川県中原警察署に、淫行による神奈川県青少年健全育成条例違反の容疑で任意同行されることになりました。
その日は逮捕されずに帰宅を許されたAさんでしたが、今後の手続きや自身の処分がどうなるのか不安になり、神奈川県の刑事事件を取り扱っている弁護士に相談してみることにしました。
(※令和2年5月21日産経新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・同性でも淫行事件になる?

今回のAさんは、よく言われる淫行事件の被疑者として取調べを受けているようです。
淫行事件とは、各都道府県で定められている青少年保護育成条例の中にある、18歳未満の青少年との淫らな行為やわいせつな行為をすることを禁止する条文(いわゆる「淫行条例」)に違反した、青少年保護育成条例違反事件のことを指します。

神奈川県では、神奈川県青少年保護育成条例という青少年保護育成条例が定められています。
神奈川県青少年保護育成条例では、以下のように青少年との淫行について定められています。

神奈川県青少年保護育成条例第31条第1項
何人も、青少年に対し、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。

この「みだらな性行為」や「わいせつな行為」が「淫行」と呼ばれるのです。
では、この「みだらな性行為」や「わいせつな行為」はどのような行為を指しているのかというと、同じ神奈川県青少年保護育成条例の中に定義されています。

神奈川県青少年健全育成条例第31条第3項
第1項に規定する「みだらな性行為」とは、健全な常識を有する一般社会人からみて、結婚を前提としない単に欲望を満たすためにのみ行う性交をいい、同項に規定する「わいせつな行為」とは、いたずらに性欲を刺激し、又は興奮させ、かつ、健全な常識を有する一般社会人に対し、性的しゆう恥けん悪の情をおこさせる行為をいう。

つまり、結婚を前提とする交際、いわゆる真剣交際をしている相手との性交ではなく単に自分の欲望を満たすために行った性交や、性欲を刺激したり興奮させたりする行為で相手に性的に恥ずかしいと思わせる行為であれば、青少年健全育成条例の「淫行」であるとされているのです。
真剣交際かどうかは、例えば交際期間の長さや親への紹介の有無、お互いの関係性や年齢差などから判断されることになります。

そして、条文をご覧いただければわかる通り、淫行による青少年健全育成条例違反の成立には、淫行に対して青少年側の同意あったことは問題になりません。
青少年保護育成条例は名前の通り青少年の保護や健全な育成のための条例であり、淫行の規定については、本来大人であれば青少年の保護や健全な育成のために止めなければいけない淫行をしてしまうという部分が問題視されるため、青少年側が同意していたから許されるという考え方にはならないということになるのです。
ですから、「青少年側から誘われた」「青少年の方も同意していた」という状況であっても、淫行による青少年健全育成条例違反の成立は免れられません。

今回のAさんの場合、VさんとはSNSで知り合った仲であり、Vさんが性的な行為に興味があるといったことからわいせつな行為をするに至ったという関係です。
こうした事情を鑑みれば、AさんとVさんはいわゆる真剣交際をしている間柄とは考えにくいですから、Aさんには淫行による青少年健全育成条例違反が成立すると考えられます。
今回の事例ではVさんの側から性的な行為に興味があると言っているようですが、先述のように青少年側の同意があっても淫行による青少年健全育成条例違反は成立しますから、AさんがVさんの同意があったことを理由に青少年保護育成条例違反の成立を免れることはできないと考えられます。

なお、この青少年健全育成条例では、男女の性別についての限定はされていません。
つまり、被疑者と青少年が別の性である場合だけでなく、今回のAさんのような被疑者と青少年が同性同士であっても淫行による青少年健全育成条例違反は成立するのです。

淫行による青少年保護育成条例違反事件の場合、事件内容からも他人には相談しづらいことが多いです。
特に今回のAさんのような同性同士での淫行事件の場合には、自身の性癖について周囲に知られたくないと考える方も少なくないため、相談することができずに悩んでしまうというケースもあります。
ですが、弁護士であればこれらのお悩みも解決することができます。
弁護士には守秘義務がありますから相談の内容が漏れるという心配もありませんし、刑事事件の見通しや手続きに関するアドバイスを受けることもできます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部では、弁護士による初回無料法律相談を行っています。
神奈川県内の淫行事件にお悩みの際は、お気軽に弊所の弁護士までご相談ください。

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横浜支部 支部長 弁護士
國武 優

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