職務質問中に暴れて公務執行妨害に
- 2020年7月8日
- コラム
職務質問中に暴れて公務執行妨害に
職務質問を受けている最中に暴れたという公務執行妨害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県川崎市川崎区在住のAは、川崎市川崎区にて自営業をしています。
ある日、仕事を終えて自宅に帰ろうと歩道を歩いていたところ、川崎市川崎区を管轄する川崎警察署の警察官から声をかけられ、「防犯警戒で周っています。危ない物を持っていないかどうか、確認させてください。」と言われました。
しかしAは前科があることから警察官に対して良くない印象を抱いていたため、それを拒み続けました。
Aと警察官との言い争いは次第にエスカレートし、Aはついカッとなって職務質問中の警察官1名が持っていたバインダーを叩き落としました。
そこで警察官は、Aを公務執行妨害の嫌疑で現行犯逮捕しました。
Aが逮捕されたと連絡を受けたAの家族は、公務執行妨害罪について刑事事件専門の弁護士に初回接見を依頼しました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【職務質問について】
職務質問については、刑事訴訟法上「司法警察職員は、犯罪があると思料するときは犯人及び証拠を捜査するものとする。」と定められていて(刑事訴訟法189条2項)、警察官職務執行法という法律で「警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。」と定められています。(警察官職務執行法2条1項)
すなわち、職務質問は拒否することが可能です。
但し、現実はそれが容易ではなく、職務質問をする警察官もプロですので引き留めるための対応を行いますし、強制によらない程度での有形力の行使(運転席の窓から手を入れてエンジンを切る等)は最高裁も認めています。
【公務執行妨害罪について】
公務執行妨害罪は、公務員によって執行される公務を保護する趣旨の法律です。
公務執行妨害罪の条文は以下のとおりです。
刑法95条1項 公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、三年以下の懲役若しくは禁錮又は罰金に処する。
この法律の言う「職務を執行する」というのは「ひろく公務員が取り扱う各所各様の事務のすべてが含まれるものである。」とされています。
ケースのような職務質問も、この法律のいう職務に当たると解されますので、職務質問を妨害する行為は公務執行妨害罪にあたり処罰対象となる可能性があります。
【ご家族が逮捕されたら弁護士へ】
ケースのように、職務質問を求められた場合、指示に従い応じることが望ましいと言えるでしょう。
しかし、何かしらの理由で職務質問を拒否する方もおられますし、場合によってはケースのようなトラブルにも発展する事件もございます。
職務質問でのトラブルにより公務執行妨害事件を起こした場合、逃亡や罪証隠滅(証拠隠滅)の恐れがあるとして逮捕・勾留される可能性も少なくありません。
ご家族がそのような形で逮捕された場合、すぐに刑事事件専門の弁護士に弁護士を依頼することをお勧めします。
神奈川県川崎市川崎区にて、ご家族が職務質問中に暴れる等して公務執行妨害事件を起こしてしまい、逮捕・勾留されている場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部に御連絡ください。
刑事事件・少年事件専門の弁護士が、逮捕・勾留されているご家族のもとへ接見に伺います。
土日祝日でも対応は可能。
まずはフリーダイヤル0120-631-881