風俗トラブルで否認
- 2020年7月26日
- コラム
風俗トラブルで否認
いわゆる風俗トラブルで否認をする場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県横浜市中区在住のAは、横浜市中区内の会社に勤める会社員です。
Aは横浜市中区内にあるホテルにて、派遣型風俗(いわゆるデリバリーヘルス)を利用しました。
その際、店では性交(いわゆる本番行為)は禁止されているのですが、AがVに対して「本番していい?」と聞いたところ、Vは首肯したため、本番行為をしてしましました。
しかし、終了後、Vは「無理やり本番行為をさせられた」としてVの所属する店に連絡しました。
店の職員は、「示談をするか、さもなければ風俗トラブルとしてVが横浜市中区内を管轄する伊勢佐木警察署に被害届を出す」と言いました。
Aは、風俗トラブルで否認をする場合の弁護活動について、刑事事件専門の弁護士に無料相談しました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【風俗トラブルについて】
風俗トラブルで刑事事件になる場合については、以下の2パターンが考えられます。
①室内で盗撮した場合
②性行為をした場合
①について問題となるのは、各都道府県の定める迷惑防止条例か軽犯罪法のいずれかです。
迷惑防止条例は、各都道府県により異なります。
例えば、電車やエスカレーターといった公共の場所での盗撮については全ての都道府県で定められていますが、ホテルの室内のような公共の場所ではない場合については、軽犯罪法が適用されます。
なお、神奈川県では公共の場所以外での盗撮についても違法とされています。
軽犯罪法1項 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
23号 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者
神奈川県迷惑行為防止条例3条2項 何人も、人を著しく羞恥させ、若しくは人に不安を覚えさせるような方法で住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服等の全部若しくは一部を着けないでいるような場所にいる人の姿態を見、又は、正当な理由がないのに、衣服等の全部若しくは一部を着けないで当該場所にいる人の姿態を見、若しくはその映像を記録する目的で、写真機等を設置し、若しくは人に向けてはならない。
同15条1項 第3条の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
②について考えられるのは、売春防止法あるいは強制性交等罪です。
売春防止法については、売春防止法3条の「何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない。」という規定が問題となります。
ただし、この条文には刑罰の規定がありません。
次に、強制性交等について、条文は以下のとおりです。
刑法177条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
この場合、性交に際して「暴行または脅迫」を用いることが必要となります。
【否認事件で弁護士へ】
ケースの場合、AとしてはVの同意のもとで性交したという主張になるため、刑法177条の言う「暴行又は脅迫」を用いていないとして否認をすることが考えられます。
しかし、VあるいはVの店側は同意がなかったとしているため、主張が食い違います。
このような場合を否認事件と言います。
否認事件では、客観証拠と供述調書の双方が重要になります。
しかし、ホテルという密室で行われた事件であり、性交をしたこと自体は認めていることから、客観証拠はあまりないと考えられます。
よって、供述は重要な鍵になり得ます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、これまで多くの風俗トラブルについても御相談・御依頼いただきました。
神奈川県横浜市中区にて、風俗トラブルで否認するという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部に御相談ください。
在宅事件の場合、初回の御相談は無料です。