アンパンで保釈
- 2020年8月3日
- コラム
アンパンで保釈
アンパン(シンナー)で逮捕された場合の保釈について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県横浜市瀬谷区在住のAは、横浜市瀬谷区内の会社に勤める会社員です。
AにはXという友人がいて、Xは塗装業者でシンナーを扱う会社に勤めています。
そして、AはXに誘われて、いわゆるアンパンを使いました。
アンパンを使い続けた結果、Aは錯乱状態に陥り、横浜市瀬谷区内の路上にて奇声を発して走り出しました。
Aの奇行を見た横浜市瀬谷区を管轄する瀬谷警察署の警察官は、Aを保護し、その後Aがアンパンを使っていたことが発覚したためAを逮捕しました。
Aの家族は、Aの保釈について刑事事件専門の弁護士に質問しました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【アンパンで逮捕】
アンパンという言葉は、勿論アンコが詰まったパンというのが一般的な認識かと思いますが、一定以上の年齢層であればシンナーの別称であることもご存知かと思います。
シンナーは、塗料を薄めるために使用される液体です。
油性のペンなどを使用していると嫌な臭いを感じることがあるかもしれませんが、それは恐らくシンナーの匂いです。
シンナーは我々が生活する上で必要な薬剤であり手に入りやすい薬物である反面、気化したシンナーの成分を多量に吸引することで、いわゆる酔っ払いと同じような状態になると言われています。
また、シンナーは依存性が高く、濫用することで以下のような身体への影響が出ると言われています。(厚生労働省「あやしいヤクブツ連絡ネット」参照)
・記憶力低下/認知障害
・急性中毒:事故
・精神障害:有機溶剤精神病(幻覚、妄想)
・重篤な依存症
・歯がもろくなる
・視力低下/失明
・肝臓/腎臓の障害
・生殖器の萎縮
・手足のふるえ、しびれ、麻痺
よって、シンナーの使用などについては法律で禁止されています。
問題となる条文は以下のとおりです。
毒物及び劇物取締法3条の3 興奮、幻覚又は麻酔の作用を有する毒物又は劇物(これらを含有する物を含む。)であつて政令で定めるものは、みだりに摂取し、若しくは吸入し、又はこれらの目的で所持してはならない。
同24条の3 第三条の三の規定に違反した者は、一年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
【保釈について】
被疑者が逮捕された場合、検察官は72時間以内に釈放するか、勾留請求を行う必要があります。
勾留請求を受けた場合、裁判官は被疑者に質問をした上で勾留を付けるか釈放するかの判断を下します。
勾留を付けた場合、10日間警察署等で身柄を拘束されますが、1度に限り延長が出来るため、1つの事件につき最大で20日間勾留されることになります。
勾留満期日までに、検察官は被疑者を釈放するか、起訴しなければなりません。
薬物事件では、入手経路の捜査などのため逮捕・勾留される場合がほとんどです。
では、20日間経って起訴された場合、被疑者の身柄はどうなるのでしょうか。
起訴された後、被疑者は被告人という立場に代わり、引き続き勾留の手続きが取られる場合がほとんどです。
起訴後の勾留期間は2カ月で、これは1カ月毎に更新されます。
起訴された被告人を釈放するための方法に、保釈があります。
保釈では、弁護士などが保釈請求を行い、裁判官が(検察官の意見を聞きつつ)判断を行います。
そして、裁判官が保釈金を決めて、その金額を納付することが出来れば、被告人の勾留は終わります。(但し、別の事件で逮捕されたり、保釈条件に違反して保釈が取り消されたりすることもあります。)
保釈金は事件毎に異なりますが、150万円以上の場合がほとんどです。
もっとも、保釈金は判決言い渡しまでの間逃亡するなどして保釈が取り消されなければ、返金されるシステムになっています。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件・少年事件専門の弁護士事務所です。
当事務所の弁護士はこれまで数多くの保釈を成功させています。
保釈は、出せばすぐに出るというわけではありません。
保釈を請求するためには、被告人に逃亡や罪証隠滅(証拠隠滅)の恐れがないことなどをしっかりと主張していかなければなりません。
神奈川県横浜市瀬谷区にて、アンパンなどの薬物事件でご家族が逮捕され、保釈を含めた弁護活動をお望みの方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部に御連絡ください。
当事務所の弁護士が、逮捕・勾留されている御家族のもとに初回接見に伺います。(初回接見は有料です。詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881まで。)