列車内で痴漢?強制わいせつ?で示談②
- 2020年8月8日
- コラム
列車内で痴漢?強制わいせつ?で示談②
列車内でいわゆる痴漢行為をしたところ強制わいせつ罪に問われた場合の、示談などの弁護活動について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県相模原市緑区在住のAは、相模原市緑区内の会社に勤める会社員です。
ある日、Aは相模原市緑区内を走行中の列車内で、好みのタイプの女性Vをみつけ、そのVの臀部(お尻)を触ったところVが抵抗しなかったため、Vのスカートを持ち上げ下着の上から陰部に触れ、その後下着の中に指を入れたという事件です。
相模原市緑区を管轄する相模原北警察署の警察官は、Aを強制わいせつ罪で現行犯逮捕しました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【迷惑防止条例について】
列車などの公共の乗物や公共の場所で他人の身体に触れる行為である痴漢を行った場合、まず検討されるべきは各都道府県の定める迷惑防止条例違反です。
ケースの場合は神奈川県迷惑行為防止条例3条1項1号が問題となります。
法定刑は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。
【痴漢で強制わいせつに?】
その他、性犯罪にひとつに強制わいせつ罪があります。
強制わいせつ罪の法定刑は6月以上10年以下の懲役です。
【痴漢が強制わいせつ罪にあたることも】
痴漢が各都道府県の定める迷惑防止条例違反にあたるか、強制わいせつ罪にあたるかについては、性的自由侵害を主眼にとらえられます。
各都道府県の定める迷惑防止条例も、強制わいせつも、保護法益は「個人の性的自由」とされるためです。
一般的に、下着の中に手を入れた場合には強制わいせつ罪と評価されることになり、それ以外については各都道府県の定める迷惑防止条例が問題となるようです。
ケースのAは、下着の中に手を入れているまでしていますので、これは強制わいせつ罪が適用される可能性があります。
もっとも、性的自由の侵害の程度によっては、強制わいせつ罪が適用される可能性があります。
例えば、長時間に亘り執拗に被害者の身体に触れた場合などが、それにあたると考えられます。
【示談について】
ケースのように、被害者がいる事件での弁護活動の一つに、示談交渉が挙げられます。
示談とは、被疑者・被告人が被害者に対して謝罪と賠償をすることで赦しを求める和解のための合意です。
一言で示談といっても、その内容は様々です。
以下で一例を挙げます。
・被害弁償:被害者に対して示談金などの形で弁償を行う。
・示談締結:被害者との間で示談書を締結する。
・宥恕(ゆうじょ):被害者が、被疑者・被告人に対して厳しい処罰を求めない旨を示談書に落とし込む。
・被害届取下:被害者が捜査機関に提出した被害届を取り下げる。
・告訴取消:被害者が被疑者・被告人に対して厳しい刑事処罰を求める「刑事告訴」を取り消す。
これらの示談については、弁護士以外の一般の方でも作成は可能です。
しかし、痴漢事件での強制わいせつなど性犯罪の被害者は、被疑者・被告人やその御家族などに連絡先を教えたくないと思う方が多いでしょう。
そのため、法律の専門家である弁護士が間に入り、刑事手続の流れや示談交渉について丁寧に御説明をした上で、被疑者・被告人の希望に沿った示談交渉を行うことが有効です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、これまで強制わいせつ事件など数多くの被害者がいる事件を取り扱って参りました。
神奈川県相模原市緑区にて、御家族の方が強制わいせつ罪で逮捕され、示談について聞きたいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部に御連絡ください。
刑事事件・少年事件専門の弁護士が、逮捕された方のもとへ行き、接見を行い示談交渉を含めた今後考えられる弁護活動について御説明致します。(有料)