保釈の時期について②
- 2020年8月17日
- コラム
保釈の時期について②
本日は昨日に引き続き我が国の保釈可能時期の違いなどについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県川崎市多摩区在住のAは、川崎市多摩区内の会社に勤める会社員です。
Aには妻Xがいたのですが、ある日Xが浮気をしている可能性があると感じ、その動向を探ったところ、実際に不倫相手がいました。
そこで怒ったAは、Xを自宅から追い出した上、自宅のガスコンロに着火し食用油を撒くことで、自宅を燃やしました。
着火後Aは自宅から脱出して逃げ、通報を受けて駆け付けた消防隊員によって鎮火されたため死傷者はでなかったのですが、Aは臨場した川崎市多摩区を管轄する多摩警察署の警察官により現住建造物等放火罪で現行犯逮捕されました。
Aの家族はAが逮捕されたと聞き、すぐに保釈は出来ないのか、依頼した刑事事件専門の弁護士に質問しました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【自宅に放火した場合の罪】
【日本での保釈について】
海外ドラマなどで、逮捕されてすぐに保釈金を納付するという場面を目にしたことがあるかもしれません。
例えばアメリカでは(州によって異なる場合がありますが)、逮捕されてから48時間以内に裁判所への出頭機会を設け、その際にマジェストレイト(治安判事)と呼ばれる法曹資格を持たない裁判官などが保釈の条件を決めることになります。
日本の刑事司法と比較して、アメリカは逮捕については緩やかな基準で行われますが、大抵の事件で保釈が認められるため、結果として身柄の解放が速やかに行われます。
一方で、日本の場合には逮捕されてから48時間以内に検察庁に送致され、検察官が必要と認めた場合には勾留請求を行います。
次に、勾留請求を受けた裁判所は、逮捕から72時間以内に被疑者に対して勾留質問を行った上で、必要と認めた場合には10日間の勾留を行います。
勾留は1度に限り延長できるため、最大で20日間、身柄を拘束されることになります。
検察官はこの勾留の期間に警察を指揮して証拠を集め、起訴する準備をします。
そして、勾留満期までに起訴するか、さもなくば処分保留で釈放しなければなりません。
では、起訴された場合どうなるかというと、起訴後釈放することはほとんどなく、引続き身柄は拘束されることになります。(起訴後勾留は原則2カ月ですが、その後も1カ月毎に際限なく更新することができます。)
勾留されている被告人の身柄を解放するためには、保釈の手続きを行う必要があります。
保釈は、裁判官の職権で行うことも出来ますが、基本的に被告人側から保釈請求を行う場合が一般的です。
保釈請求をできる対象者は、被告人自身と弁護人の他に法定代理人、保佐人、配偶者、又は直系の親族若しくは兄弟姉妹です。
保釈請求のためには被告人の逃亡の恐れ(監督体制)や証拠隠滅の恐れがないことを主張していくことが必要になるため、法律の専門家である弁護士に依頼することが望ましいと考えられます。
とりわけ、Aの場合は現住建造物放火という重い罪で起訴されていることから、刑を免れるため逃亡する可能性が高いと判断されることがあるため、保釈請求の時期や内容には刑事事件の経験や知識が必要不可欠です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、これまで数多くの刑事事件に携わってきていて、保釈についても数多くの経験を有しています。
神奈川県川崎市多摩区にて、御家族の方が自宅に放火するなどして現住建造物等放火罪で逮捕され、保釈について知りたいという方は、まずはあいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。
ご連絡先:0120-631-881