無免許運転でスピード違反して身代わり出頭②
- 2020年8月23日
- コラム
無免許運転でスピード違反して身代わり出頭②
無免許運転をしていたところスピード違反(速度超過)で検挙されそうになり、身代わり出頭した場合の問題点と実名報道について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県川崎市中原区在住のAは、川崎市中原区内の会社に勤める会社員です。
Aはドライブをするのが趣味なのですが、以前に人身事故(過失運転致傷事件)を起こしてしまい、結果として免許停止処分になりました。
しかし、それでも運転をしたいと考えたAは、免許を有していないにも拘らず自動車を運転してしまい、その上高速道路で法定速度(100km/h)の場所を170km/hで走行してしまいました。
ところが、走行中、いわゆるオービスが光ったことに気が付きました。
慌てたAがそのことを後輩であるVに話したところ、Vから「俺は免許あるので俺が運転していたことにしますよ。」と言われました。
そして、Vがいわゆる身代わり出頭という形で、自身がA所有の車を運転していてオービスが光ったのですが…という申告を行いました。
ところが、その行為が身代わり出頭として罪を重ねることになり、以前に実名報道された事件もあるということを知り、無免許運転・スピード違反による罪と、身代わり出頭の問題点について、そして自身が実名報道される可能性があるのか、刑事事件専門の弁護士に無料相談しました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【スピード違反(速度超過)について】
【無免許運転について】
更に悪いことに、スピード違反をしたAは無免許状態での運転をしています。
無免許運転には、以下のとおりいくつかのパターンがございます。
①運転免許証を取得せずに運転をした
もっともシンプルな態様のスピード違反になります。
運転免許証を取るのが面倒だった、金銭的に負担が大きい、未成年で運転免許証を取得できる年齢に達していないなどの理由により、これまで一度も運転免許証を取得せずに運転をしていた等の事案がこれに当たります。
②運転免許証の停止処分中、取消し処分後に運転した
元々運転免許証を取得していたものの、何らかの違反や事故がきっかけで効力を失ったにもかかわらず、以降も運転を続けていたという事案が考えられます。
なお、運転免許の停止処分については期間満了後に運転することが出来ますが、運転免許を取り消された場合には運転する資格を取り消されるため免許証を再取得する必要があります。
③運転免許証の手続きに不備があった
運転免許証の更新手続きを失念していた、引っ越し後に公安委員会に対して引越しの届出をしなかったためにハガキが届かなかった、として、違反行為をしていないものの手続きに瑕疵(不備)があった場合も、運転免許証の効力を有さず無免許の状態になります。
ただし、運転免許証の更新を怠っていたことについて故意がない、つまり、うっかり更新を忘れていて警察官などから指摘されて初めて気が付いた、という場合には、無免許運転には当たりません。
このほかにも、海外で取得したつもりだったが我が国では適用されない免許だったなどの場合等、様々な理由が考えられます。
なお、有効は免許証を持っているにもかかわらず、自宅に置き忘れてきた等の理由で運転中に所持し忘れていたということも考えられます。
これは免許不携帯という違反で、違反ではありますが無免許運転とは異なる違反です。(ウッカリで発生した免許不携帯の場合、通常は青切符で処理されます。)
道路交通法117条の2の2 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
1号 法令の規定による運転の免許を受けている者…でなければ運転し、又は操縦することができないこととされている車両等を当該免許を受けないで…又は国際運転免許証等を所持しないで…運転した者
2号 第六十四条(無免許運転等の禁止)第二項の規定に違反した者(略)
【身代わり出頭について】
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【刑事事件での報道について】
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