不正融資詐欺事件
- 2020年10月22日
- コラム
不正融資詐欺事件
ローンを組んでいて、その返済は順調に行っているにもかかわらず不正融資詐欺などで刑事事件に問われる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県横浜市中区在住のAは、横浜市中区にて会社を経営しています。
Aは仕事とは別の方法で収入を得ようと考えた際、横浜市中区内のマンションの一室を購入して賃料で利益を得る、いわゆる不動産投資を行おうと考えました。
しかし、一括でマンションの一室を購入できるほどの金を持っていなかったため、融資を受けようと考えました。
そして、住宅ローンの融資を受けようと考えました。
契約をする際、行員から「御自身で住む目的での購入で間違いないですよね。」と問われたAは、不動産投資の目的であるにも拘らず、それで間違いないと回答しました。
契約後しばらくした後、Aは友人にその話をしたところ、友人から「それは不正融資にあたり詐欺罪などに問われる可能性がある。」との指摘を受けました。
そのためAは、横浜市中区を管轄する水上警察署に自首しようと考えています。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【不正融資詐欺事件について】
融資を受ける(お金を借りる)際には、刑事上と民事上の問題が考えられます。
ケースのAを見た際に、ローンを組んでいるためお金を借りていますが、契約どおりに返金を続けているため問題がないのではないか、とお思いの方がおられるかもしれません。
確かに、ローンなどで金を借りた際に返済が出来なくなった場合には民事上の問題が生じます。
しかし、刑事上の問題は生じません。
一方で、融資を受ける際に自身の収入を偽るなどして融資先を騙して金を借りた場合、刑事上の責任を問われることが考えられます(民事上の問題も生じ得ます。)。
騙す内容には、例えば自身の収入を偽ったり、返済する意思・能力がないのに融資を受けるなどの場合が考えられます。
ケースのように、目的を偽って融資を受ける場合も、刑事上の責任を負うことが考えられます。
これらの行為は詐欺罪に当たる可能性があります。
詐欺罪は、被疑者が被害者を騙し(欺罔し)、被害者が騙され(錯誤に陥り)、被害者が加害者に金などを渡す(財物を交付させる)ことで成立します。
ケースのAは、不動産投資の目的でありながら、居住義務がある住宅ローンを組もうと考え銀行はそれに騙されて融資をしているため、詐欺罪の成立が考えられます。
詐欺罪の法定刑は「十年以下の懲役」です。
【自首について】
一般のイメージとして、「自首をすれば罪が軽くなる」というイメージが強いのではないでしょうか。
刑事ドラマなどでも、「自首して罪を軽くする」というセリフなどが出てくることもあります。
しかし、まずはそもそも自首が成立する=必ず罪が軽くなるということではないことに注意が必要です。
刑法第42条第1項
罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。
刑法に定められている自首は「その刑を減軽することができる」となっているため、あくまで刑の減軽は任意的なものであることがわかります。
ですから、自首が成立したからといって必ずしも刑罰が軽くなるというわけではないのです。
しかし、自首が成立したということによって、刑の減軽を主張するために有利な事情になることに違いはありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
神奈川県横浜市中区にて、不正融資詐欺事件で自首を検討している方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部に御連絡ください。
事件の見通し等や自首のメリット・デメリットについて、弁護士が御説明致します。