掲示板での誹謗中傷
- 2020年10月23日
- その他の刑法犯事件
掲示板での誹謗中傷
インターネット上でのいわゆる掲示板での誹謗中傷で問題となる罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県横浜市青葉区在住のAは、横浜市青葉区内の会社に勤める会社員です。
Aはインターネット上の掲示板サイトを閲覧し、書き込みすることを趣味の一つとしています。
ある日、とある芸能人が不倫をしているという真偽不詳の情報が流れてきて、それを真実だと思い込んだAは、ログイン不要で誰もが見られるインターネット掲示板でその内容を書き込みました。
結局その情報はデマであることが分かったのですが、後日Aのもとに警察官が来て、名誉毀損の罪で刑事告訴されているからお話を聞かせてくださいと言われました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【誹謗中傷での刑事上の問題】
昨今、芸能人や飲食店などに対して、SNSやインターネット上の掲示板などでの誹謗中傷が重大な問題として取り上げられています。
誹謗中傷という言葉は法律上の文言ではありませんが、一般的に特定個人や団体に対して行われるいわれのない悪口などを指しています。
誹謗中傷が100%刑事事件になるというわけではありませんが、以下のような罪にあたる可能性が高いことは事実です。
・名誉毀損罪
不特定多数の方が見られるようなインターネット掲示板等で相手の名誉を傷つけるような書き込みをした場合、名誉毀損罪が検討されます。
名誉毀損罪は、条文に記載のとおり「公然性」と「事実の摘示」が必要となります。
公然性については、不特定又は多数の者が閲覧可能な状態を指すため、インターネットの掲示板などはこの要件を満たすと考えられます。
事実の摘示については、具体的な事実を指します。
そして真実である必要はありません。
よって、ケースのように「不倫をしていた」などという内容は(それが真実であるか否かを問わず)事実の摘示と言える一方、「アイドルと呼べる容姿じゃない」などと抽象的な内容については事実の摘示には当たらず、後述の侮辱罪に当たることが考えられます。
刑法230条1項 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
・侮辱罪
名誉毀損罪は事実の摘示を要件としていますが、事実を摘示していない場合でも相手を侮辱するような言葉をインターネット掲示板等で書き込みした場合には侮辱罪の適用が考えられます。
侮辱罪の条文は以下のとおりです。
刑法231条 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。
・業務妨害の罪・信用毀損の罪
誹謗中傷が芸能人や会社などに向けたものである場合、偽計業務妨害などの罪の適用が考えられます。
誹謗中傷の内容にもよりますが、名誉毀損罪にあたる内容であれば当該芸能人の芸能活動に支障を来したり信用を傷つける可能性がありますし、嫌いだから殺してやるなどの殺人予告のような内容であれば業務妨害にあたる可能性があるでしょう。
刑法233条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、インターネット上での誹謗中傷トラブルなどについても対応しています。
神奈川県横浜市青葉区にて、インターネット上での誹謗中傷などにより名誉毀損の罪などで警察官から連絡が来て取調べを受ける可能性があるという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部に御相談ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で御相談頂けます。