風俗トラブルで示談交渉
- 2021年1月9日
- コラム
風俗トラブルで示談交渉
いわゆる性風俗を利用した際に風俗トラブルに発展した場合の罪と示談交渉について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県川崎市川崎区在住のAは、川崎市川崎区内の会社に勤める会社員です。
Aは川崎市川崎区内にあるホテルにて、派遣型風俗(いわゆるデリバリーヘルス)を利用しました。
その際、Aは風俗嬢が服を脱いでいる瞬間をスマートフォンのカメラで盗撮していました。
盗撮に気が付いた風俗嬢はお店連絡し、店の従業員がホテルにきて川崎市川崎区を管轄する川崎警察署に被害届を提出するといいました。
Aは、風俗トラブルがどのような事件になるのか、示談をしたほうが良いのか、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士に無料相談をしました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【風俗トラブルについて】
風俗トラブルで刑事事件になる場合については、以下の2パターンが考えられます。
①性行為をした場合
②室内で盗撮した場合
①で問題となるのは、売春防止法あるいは強制性交等罪です。
売春防止法については、売春防止法3条の「何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない。」という規定が問題となります。
ただし、この条文には刑罰の規定がありません。
次に、強制性交等について、条文は以下のとおりです。
刑法177条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
この場合、性交に際して「暴行または脅迫」を用いることが必要となります。
当事者間の同意があれば、たとえ店の規約で性行為が禁止されていたとしても、刑事事件上は問題となりません。
②について問題となるのは、各都道府県の定める迷惑防止条例か軽犯罪法のいずれかです。
迷惑防止条例は、各都道府県により異なります。
例えば、電車やエスカレーターといった公共の場所での盗撮については全ての都道府県で定められていますが、ホテルの室内のような公共の場所ではない場合については、軽犯罪法が適用されます。
なお、神奈川県では公共の場所以外での盗撮についても違法とされています。
軽犯罪法1項 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
23号 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者
神奈川県迷惑行為防止条例3条2項 何人も、人を著しく羞恥させ、若しくは人に不安を覚えさせるような方法で住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服等の全部若しくは一部を着けないでいるような場所にいる人の姿態を見、又は、正当な理由がないのに、衣服等の全部若しくは一部を着けないで当該場所にいる人の姿態を見、若しくはその映像を記録する目的で、写真機等を設置し、若しくは人に向けてはならない。
同15条1項 第3条の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
なお、御相談者の中に盗聴をしてしまったことを店側から指摘されている、ということで御相談される方もおられますが、盗聴は刑事事件には当たりません。
【示談交渉について】
被害者がいる事件の弁護活動のひとつに、被疑者が事件を起こしてしまったことを認めている場合には、被害者に対して謝罪し弁済する示談交渉があります。
示談は、刑事処罰を軽くすることを求めるだけでなく、その後の民事訴訟のリスクを回避するという目的があります。
示談交渉は、法律家である弁護士に依頼をせずに当事者同士で行うことができます。
しかし、被害者の中には被疑者と直接の連絡を拒否することが考えられるほか、被疑者と被害者とで直接連絡を取ることで証拠隠滅を疑われることも考えられます。
また、ケースのような風俗営業店の中には、法外な金額を請求してくることもあるため、法律家である弁護士を入れることをお勧めします。
神奈川県川崎市川崎区にて、風俗トラブルを起こしてしまい示談交渉について知りたいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部に御連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料相談を受けることができます。