値札の貼り換えで詐欺事件に
- 2021年1月10日
- コラム
値札の貼り換えで詐欺事件に
リサイクルショップなどで本来の金額より安い金額の値札に貼り換えたことで成立する罪と弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県厚木市在住のAは、厚木市内の会社に勤める会社員です。
ある日、Aは厚木市内のリサイクルショップに行き、買い物をしていました。
するとそこで、どうしても欲しい商品があったのですが5万円と比較的高価でした。
その商品が欲しかったAは、別の商品に貼られている5000円の値札を剥がし、欲しい商品に貼り付け、会計で5000円を支払って自宅に持ち帰りました。
それ以降、Aは味をしめて同じ手口で高額な商品を複数回、安価で購入していました。
しかし、店員がAの犯行に気が付きマークしていたため、Aが値札を貼り替えてレジに持って来たところで声掛けをし、警察に通報しました。
通報を受けて臨場した厚木市内を管轄する厚木警察署の警察官は、Aを詐欺罪で逮捕しました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【値札の貼り換え】
とりわけ中古の商品を販売しているリサイクルショップなどでは、バーコードではなくシンプルな値札が貼られている場合も少なくありません。
この値札は簡単に貼ったり剥がしたりすることが出来るというメリットがある反面、客が勝手に値札を貼り換えることができることにもなりかねず、実際にそのような事件が発生しています。
値札の貼り換え事件については、詐欺罪が適用される可能性があります。
詐欺罪は、①被疑者が被害者を騙すことによって(欺罔行為)②被害者が騙されてしまい(錯誤)、③被害者が被疑者に財物あるいは財産上の利益を渡すことであり、④①~③の間に因果関係があることで成立します。
ケースのAは、これまで幾度かの事件で①本来5万円で販売するはずの本を、値札を貼り換えることで5000円として被害者を騙し、②店員が値札の貼り換えに気が付かず錯誤に陥ってしまい、③Aは5000円を払っただけで商品を受け取っています。
これは詐欺罪の構成要件を満たす可能性があります。
ただし、逮捕された当日Aは同様の手口で商品の値札を貼り替えたのですが、結果的に店長に気が付かれてしまい購入には②あるいは③に至らなかったことから、詐欺未遂罪に当たる可能性があります。
刑法246条1項 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
【ケースの弁護活動】
ケースのAは刑事事件を起こしてしまい逮捕されています。
この場合
・身柄解放を求める弁護活動
・裁判で軽い刑罰を求める弁護活動
が考えられます。
身柄解放を求める弁護活動は、起訴前であれば勾留を回避する、あるいは勾留の決定をした裁判を取り消す活動があります。
また、起訴後であれば、保釈を請求し、保釈が認められて保釈金を納付することができれば身柄が解放されます。
裁判での刑罰については、被害弁済ができていることや被告人の内省の状況を主張することなどが考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
神奈川県厚木市にて、御家族が値札の貼り換えにより詐欺罪で逮捕されてしまい、どのような弁護活動が必要かお知りになりたい方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部に御連絡ください。
まずは弁護士が御家族のもとへ接見に行き、必要な弁護活動について検討したうえで御説明致します(有料)。