万引きが強盗事件に
- 2021年1月12日
- コラム
万引きが強盗事件に
万引きをしたにも拘わらず強盗事件に発展する場合とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県横須賀市在住のAは、横須賀市内でアルバイト生活をしています。
Aは生活に困り、横須賀市内のコンビニエンスストアで数日に一度、弁当や冷凍食品などの万引きを繰り返していました。
被害に遭っていたコンビニエンスストアの店長Vは、Aによる万引きに気が付いていたためAが入店した直後からマークし、Aが商品をカバンに入れて店を出たところで声をかけ、Aの腕をつかみました。
しかしAはVの手を振りほどき、更に掴んで来ようとしたVの足を引っかけてVを転倒させました。
結果、Vは頭部を強く打って脳震盪を起こしたほか、擦り傷ができていました。
通報を受けて臨場した横須賀市を管轄する浦賀警察署の警察官が周辺を捜索したところ
Aを事後強盗罪で緊急逮捕しました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【万引きについて】
コンビニエンスストアや商業施設などで商品を盗む万引きは、窃盗罪に当たる可能性があります。
窃盗罪は刑法235条に規定されていて、法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」と定められています。
【窃盗が事後強盗罪に】
もっとも今回のAは、万引きをした後に店員から腕を掴まれていて、それを振り払いました。
この場合、万引きではなく事後強盗罪が成立します。
事後強盗罪の条文は以下のとおりです。
刑法238条 窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
同236条1項 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
事後強盗事件は強盗罪として扱われるため、法定刑は5年以上20年以下の懲役です。
更に、事後強盗の結果被害者である店員Vは怪我を負っていますので、6年以上20年以下の懲役や無期懲役、死刑になります。
事後強盗致傷での条文は以下のとおりです。
刑法240条 強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。
【事後強盗罪での弁護活動】
事後強盗罪や事後強盗致死傷罪は、万引きをする時点では想定していないことで、ある種反射的にしてしまうことがあるかもしれません。
しかし、事後強盗罪や事後強盗致死傷罪は強盗の一種ですので、厳しい刑罰を受ける可能性があります。
ケースのAは事件当日緊急逮捕されています。
事後強盗致傷罪は厳しい刑罰が用意されていることから逃亡の恐れがあり、また、釈放された場合に被害店舗に証拠隠滅のため訪れる可能性もあることから、起訴されるまでの釈放を難しい場合が多いです。
また、被害者がいる事件ですので示談交渉も考えられますが、コンビニエンスストアなどのチェーン店は示談交渉を拒否する場合も少なくありません。
よって、身柄解放活動のタイミングや示談交渉を行うタイミングは難しく、刑事弁護の経験が生きてくるところです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、比較的軽微な事件だけでなく、事後強盗事件や事後強盗致死傷事件などの重大事件についての経験も豊富です。
神奈川県横須賀市にて、御家族が万引きをしたところ店員などに制止され、事後強盗事件に発展してしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部に御連絡ください。
まずは弁護士が初回接見に行き、事件の詳細をうかがったうえで必要な弁護活動や今後の見通しなどについて御説明致します(有料)。