裸の画像を送らせて逮捕
- 2021年3月21日
- コラム
裸の画像を送らせて逮捕
少女に裸の画像を送らせて逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。
【事例】
神奈川県内に住む男性Aさん。
SNSで知り合った、横浜市緑区在住の女子高生(17歳)に、裸の写真を撮って送るよう求めました。
女子高生は要求に応じ、何枚か裸の画像を送信しました。
後日、女子高生が別件で補導されたことをきっかけとして、Aさんに裸の画像を送ったことが発覚。
Aさんは、緑警察署に逮捕されました。
Aさんは今後どうなってしまうのでしょうか。
(事実をもとにしたフィクションです)
~児童ポルノ製造~
18歳未満の女子高生に裸の画像を送らせたAさん。
女子高生の同意の上だったしても、この行為は、児童ポルノ禁止法に違反する犯罪です。
法律の条文を見てみましょう。
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律
第7条4項 (前略)児童に第二条第三項各号のいずれかに掲げる姿態(注:簡単に言うとわいせつな格好)をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第二項と同様 (注:3年以下の懲役または300万円以下の罰金) とする。
長い名前の法律ですが、児童買春と児童ポルノを規制している法律です。
この法律では、18歳未満の者を「児童」と呼んでいます。
そして、児童ポルノに該当する画像等を撮影したり、自撮りさせたものを送らせた場合、法律では児童ポルノの「製造」と言い、犯罪行為となってしまいます。
罰則は、最高で懲役3年。
ある程度重い刑罰が定められています。
同意の上でわいせつな画像を送ってもらった場合、児童自ら警察に相談するということは多くはないでしょう。
しかし今回の事例のように、児童が別件で補導されたことをきっかけとして、事態が発覚したり、児童の親が気が付いて警察に相談するといったパターンがあります。
児童の同意があったとしても、犯罪に変わりはなく、大ごとになってしまうおそれがあるのです。
また、画像を要求する側と、児童との関係性によっては、児童の側が、本当は送りたくないと思っていても、嫌われたくないといった理由で送ることも考えられます。
要求した側が意図していたかどうかは別として、児童の弱みに付け込むような形と言えます。
この場合、後になってから、児童本人が親や警察に相談するということもあるでしょう。
いずれにしろ、裸などのわいせつな画像を要求することは、とてもリスクのある行為ということになります。
~刑務所に行く必要があるのか~
逮捕された後の手続きの流れについて、詳しくはこちらをご覧ください。
最終的に今回のようなケースでは、刑務所に入れられてしまうのでしょうか。
今回の場合、児童の側の同意があっての話ですので、無理やり送らせた、撮影したというような事案と比べれば悪質性は低いと言えます。
そこで、前科があるなどの事情がない限り、執行猶予が付かない懲役判決を受け、刑務所行きとなる可能性は低いでしょう。
罰金で済むという可能性も十分考えられます。
ただし、悪いことをしたのだという認識をしっかり持ち、児童やその親に謝罪の弁を述べるなど、反省の態度を示し、損害賠償をして示談を締結するなど、出来うる限りの適切な対応をするのが大切です。
しかし、取調べでの受け答えの方法や示談の方法など、分からないことだらけだと思います。
具体的な事情をお聞きした上でアドバイスいたしますので、ぜひ一度ご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
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