死亡事故で在宅起訴
- 2021年4月17日
- コラム
死亡事故で在宅起訴
死亡事故で在宅起訴されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県中郡大磯町在住のAは、中郡大磯町の会社に勤める会社員です。
ある日、Aは出勤のため中郡大磯町の公道を走っていたところ、前方に横断歩道ではない道路を渡っていた歩行者Vに気付くのが遅れ、接触してしまいました。
Vは跳ね飛ばされてしまい、頭部を強く打つなどして数時間後に死亡しました。
Aによる通報を受けて臨場した中郡大磯町を管轄する神奈川県大磯警察署の警察官は、Aを、死亡事故を起こしたことによる過失運転致死事件の被疑者として現行犯逮捕しました。
しかし、翌日行われた検察官による弁解録取の末、担当検察官はAを勾留請求せず、釈放しました。
釈放されたことで安心したAは、その後在宅で行われた検察官の話もあまり聞いていなかったところ、ある日裁判所から起訴状が届いたため驚き、刑事事件を専門とする弁護士に無料相談をしました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【交通死亡事故について】
お住まいの地域や仕事内容によっては、自動車やバイクは生活必需品と言っても過言ではありません。
自動車やバイクは便利である反面、故意・過失を問わず人を怪我させてしまったり死亡させてしまったりするリスクを孕むことも事実です。
政府統計データ(e-StArt)によると、令和2年(2020年)に発生した交通事故件数は30万9178件で、死者数は2839人、負傷者は重軽傷合わせて36万9476人でした。
死亡事故を起こしてしまった場合、どのような罪に問われるのでしょうか。
以前は刑法上の過失致死傷罪などで処理していましたが、現在は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(通称、自動車運転処罰法)に規定されている「過失運転致死罪」という罪が適用されます。
なお、アルコールや薬物濫用により「正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」で運転したことで死亡事故を起こした場合には、危険運転致死傷罪などの更に重い罪が適用されます。
過失運転致死(傷)罪の条文は以下のとおりです。
自動車運転処罰法5条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
【在宅起訴とは?】
死亡事故の場合、偶発的に発生した事故であることがほとんどですので、罪証隠滅のおそれが高い事案とは言えません。
そのため、捜査機関としては、身元引受人がいて逃亡のおそれが低いと判断した場合、当初から在宅事件として捜査したり、ケースのように死亡事故発生直後に現行犯逮捕し薬物やアルコールなどの検査や取調べをしたうえで勾留を求めずに釈放するということも少なくありません。
逮捕されない、あるいは逮捕されたものの釈放して捜査を継続する場合を在宅捜査などと呼びます。
在宅捜査は身柄拘束されている事件に比べ、被疑者の負担も時間的制約も少ないと言えるでしょう。
身柄拘束されている場合は緊迫感もあり、資力が一定未満の方については国選弁護人を付けることが出来るため、弁護士に相談する方も多いです。
一方で、在宅捜査を受けている場合には緊迫感が薄く、自ら弁護人をつける以外の選択肢がないため、相談をせずに静観している方も少なくありません。
しかし、在宅であっても事件は事件であり、捜査の結果により検察官が起訴することが出来るだけの証拠が集まったと判断した場合には、起訴されることがあります。
在宅捜査の場合も身柄拘束事件の場合も、起訴されたのであれば、被疑者は被告人という立場に代わり、公開の法廷で審議を行った上で有罪か無罪か判断され、有罪の場合には刑罰が下されます。
その際、在宅捜査を受けた方であっても、実刑判決を受けて刑務所に送られる可能性があるのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
神奈川県中郡大磯町にて、死亡事故を起こして在宅捜査を受けている、あるいは在宅起訴されてしまったという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部に御連絡ください。
在宅起訴の場合、事務所にて無料で御相談を受けることができます。
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