器物損壊事件の在宅捜査 弁護士の探し方は?
- 2021年5月5日
- コラム
器物損壊事件の在宅捜査 弁護士の探し方は?
器物損壊事件の在宅捜査を受けているケースで弁護士を探す方法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説いたします。
~ケース~
Aさんは、神奈川県逗子市の居酒屋でお酒を楽しんでいたところ、悪酔いしてしまい、女性店員にからむなどの迷惑行為に及んだため、居酒屋の店長がAさんに注意しました。
するとAさんは激昂し、皿を投げて割ったり、居酒屋玄関の看板を蹴って破壊するなどして暴れ始めたため、店長は神奈川県逗子警察署に通報し、警察官を呼びました。
Aさんは逮捕されることはありませんでしたが、器物損壊罪の疑いで取調べを受けることになり、犯行当日は数時間の取調べの後、帰宅を許されました。
Aさんは今後も何度か神奈川県逗子警察署に出頭し、取調べを受けることになっています。
Aさんは刑事事件に強い弁護士に事件解決を依頼したいと考えていますが、心当たりのある弁護士もおらず、困っています。
どうすればよいのでしょうか。
(フィクションです)
~器物損壊罪について~
器物損壊罪は、他人の物を損壊し、又は傷害する犯罪です(刑法第261条)。
器物損壊罪の「損壊」とは、動物以外の物の毀棄、「傷害」とは動物の毀棄を意味し、物の効用を害する一切の行為をいいます。
他人の物を物理的に破壊することはもちろん、他人の食器に放尿する行為も器物損壊罪の「損壊」に当たります。
居酒屋の備品である皿を投げて割ったり、居酒屋の玄関の看板を蹴って破壊する行為は、明らかに上記「損壊」に該当するでしょう。
器物損壊罪につき起訴され、有罪が確定すると、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処せられます。
~弁護士の選び方~
(そもそも弁護士を依頼するメリットは何か)
Aさんは逮捕されていませんが、逮捕された場合であっても(身柄事件)、逮捕されなかった場合であっても(在宅事件)、器物損壊事件の被疑者として取り扱われていることに変わりはありません。
在宅事件であっても、捜査は随時進行します。
また、裁判にかけられ有罪判決を受けると、取得を目指していた資格を取得できなくなったり、就職活動、転職活動の際に不利になる可能性も存在します。
上記のような不利益を回避するためには、「不起訴処分(起訴猶予処分)」の獲得を目指すのがよいでしょう。
不起訴処分がなされれば裁判にかけられることはないので、前科がつくこともありません。
では、どうすれば不起訴処分を獲得できるのでしょうか。
~器物損壊事件で不起訴処分の獲得を目指す~
器物損壊罪は親告罪であるため(刑法264条)、告訴がなければ起訴されることはありません。
そこで、被害者と示談して告訴しないことを約束する又は告訴を取り消してもらうことが重要となります。
ケースの場合は、弁護士を依頼し、被害者(居酒屋の店長や、居酒屋を運営している企業)と示談を成立させることが考えられます。
被害者に対して真摯に謝罪し、生じさせた損害を賠償して、示談書に「宥恕条項」(被害者がAさんへの寛大な処分を希望する条項)を盛り込み、告訴しないことを約束することができれば、不起訴処分を獲得できる可能性が高まるでしょう。
~弁護士はどうやって探す?~
ケースの捜査段階においては、国選弁護人や当番弁護士を利用することはできません(これらの制度は逮捕又は勾留された場合に利用できます)。
そのため、Aさんは私選弁護人を探さなければなりません。
弁護士にはそれぞれ得意な分野があり、民事事件が得意な弁護士もいれば、企業法務に熟練している弁護士もいます。
様々な弁護士の中から、刑事事件に熟練した弁護士に事件解決を依頼するのが最も良いでしょう。
(インターネットで探す)
近年では多くの法律事務所がホームページを開設しており、どのような分野に熟練しているかを紹介しているものが多数存在します。
インターネットで刑事事件に熟練した弁護士を探し、法律相談を受けるのがよいでしょう。
(弁護士会に問い合わせてみる)
弁護士会では、法律相談センターを設けており、電話窓口もあります。
このような機関を活用し、弁護士を探すことも考えられます。
~実際に法律相談を受けてみる~
見落としがちですが、Aさんと弁護士との相性も重要です。
法律相談を通じてアドバイスを受けつつ、弁護士との相性を確かめてから事件解決を依頼するのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
初回無料法律相談も行っていますので、まずは弁護士と話してから依頼するかどうか等決めたいという方にもお気軽にご利用いただけます。
神奈川県内の器物損壊事件にお困りの際は、お気軽にご相談ください。