捜査段階の弁護活動
- 2021年5月19日
- コラム
捜査段階の弁護活動
捜査段階の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。
~事例~
会社員のAさんは、神奈川県横浜市の駅構内のエスカレーターで女性のスカート内を盗撮したとして神奈川県南警察署に逮捕されました。
Aさんは容疑を認めていますが、何とか起訴されずに捜査段階で事件を終了させることができないかと思っています。
Aさんは、家族の依頼で接見に来た弁護士に、どのような弁護活動をしてくれるのか熱心に聞いています。
(フィクションです。)
捜査段階の弁護活動
捜査が行われている段階、つまり、起訴される前の段階では、被疑者の権利や利益を擁護することが弁護士が担う弁護活動の主たる目的です。
捜査段階における弁護活動の主なものには、捜査に対する活動、被疑者の身体拘束に関する活動、そして、検察官の終局処分に対する活動があります。
1.捜査に対する活動
捜査機関は、被疑者に対する取調べのほかにも、自宅や会社などの捜索差押などを行います。
特に、取調べで被疑者がどのような供述をするかは、最終的な処分にも影響を及ぼしかねませんので、被疑者が捜査官の誘導に乗って自己に不利な供述をしたり、被疑者の認識とは異なるニュアンスで供述調書が作成されたりするようなことがないように注意しなければなりません。
そこで、弁護士は、事件について被疑者の言い分をしっかりと聞いた上で、取調べに対して具体的にどのように対応していけばよいかを被疑者に適切にアドバイスをします。
非日常的な閉鎖的な空間での取調べは、通常体験することがありませんので、取調べで落ち着いて答えることがなかなか難しいことがありますが、事前に弁護士に話を聞いてもらい、適切なアドバイスをもらっていれば、取調べを受けている方も安心して取調べに対応することができるでしょう。
2.身体拘束からの解放に向けた活動
捜査機関は、逮捕の必要があると考える場合には、令状をもって、被疑者を逮捕して取調べを行おうとします。
逮捕後、勾留されれば逮捕から約13日もの間、身柄が拘束されることになります。
逮捕や勾留は、被疑者をそれまでの生活から引き離すもので、これによって被疑者自身に与える身体的・精神的なダメージは大きいです。
また、被疑者だけではなく、その家族もまた、被疑者の逮捕・勾留によって被る影響は計り知れません。
そのような不利益を避けるためにも、弁護士は、被疑者が逮捕されていない場合には逮捕されないように、逮捕されてしまった場合には勾留されないように、勾留されてしまった場合には、勾留決定に対する準抗告、勾留取消請求、勾留延長決定に対する準抗告などを行い、できる限り早期に勾留が取消されるように関係各所に働きかけることになるでしょう。
3.終局処分に対する活動
原則、すべての事件は検察官に送られ、検察官が事件を処理することになります。
検察官が行う終局処分には、起訴処分、不起訴処分、少年の場合には家庭裁判所送致とがあります。
不起訴処分には、その理由により20種類ほどありますが、ここでは次の3つの不起訴処分について挙げておきたいと思います。
①嫌疑なし
被疑者が犯人ではいことが明らかなときや、犯罪行為を認定する証拠がないことが明白であると判断したときに、嫌疑なしで不起訴とします。
②嫌疑不十分
被疑事実について犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分な場合には、嫌疑不十分で不起訴とします。
③起訴猶予
被疑事実が明白な場合において、被疑者の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により起訴を必要としない場合には、起訴猶予で不起訴とします。
前科を回避したいといった場合には、弁護士は不起訴処分を目指して検察官に適宜働きかけることになるでしょう。
具体的には、被疑者が容疑を認める場合で、かつ、被害者がいる事件では、被害者との示談交渉を行った上で、検察官にその成果を示し、被疑者に有利な処分とするよう働きかけるといった活動が考えられます。
このような捜査段階での弁護活動は、刑事事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。
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