万引きで手に入れた商品を買ったら?貰ったら?
- 2023年3月22日
- コラム
万引きで手に入れた商品を買ったら?貰ったら?
別の者が万引き(窃盗)によって手に入れた商品を買ったり貰ったりした場合に問題となる罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説いたします。
【ケース】
神奈川県南足柄市在住のAさんは、南足柄市内の会社に勤める会社員です。
Aさんには仲の良い友人Xさんがいるのですが、ある日Xさんから「ブランド物のバッグなんだけど安くするから買わない」と話を持ち掛けられました。
なぜ安くで購入できるのか聞いたところ、Xさんは「南足柄市内の店で万引きしたんだけど、ちゃんと見たら自分の好みじゃないんだよね」と言いました。
Aさんは購入して良いものか考えましたが、自分が万引きをしたわけではないので大丈夫だろうと考え、高級バッグ1点を定価の90%引きの8,000円で購入しました。
数ヶ月後、南足柄市内を管轄する松田警察署の警察官がAさんの自宅に来て捜索差押許可状を示し、このバッグを持って警察署に同行してくださいと伝え、任意で取調べを受けることになりました。
≪ケースはすべてフィクションです。≫
【盗品等譲受け罪について】
御案内のとおり、小売店などで陳列された商品を購入することなく持ち去る行為は、万引きと呼ばれ、窃盗罪に当たる行為です。
Xさんは窃盗罪で捜査を受け刑事罰を科せられることになります。
次にAさんについて検討します。
Aさんは直接万引き行為をしたわけではありません。
しかし、Xさんが万引きによって手に入れたバッグであることを知り乍ら、それを購入しています。
この場合、盗品等譲受け罪が適用されます。
条文は以下のとおりです。
(盗品譲受け等)
刑法256条1項 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、3年以下の懲役に処する。
同2項 前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、10年以下の懲役及び50万円以下の罰金に処する。
盗品等譲受け罪は、盗品のほか、詐欺罪や横領の罪などで得た物を、無料でもらった場合には盗品等無償譲受け罪(刑法265条1項)に、購入した場合には盗品等有償譲受け罪(同2項)に、それぞれ該当します。
Aさんの行為はお金を払って万引きにより得られたバッグを受け取っていますので、盗品等有償譲受け罪に該当します。
【盗品等譲受け事件での弁護活動】
盗品等無償譲受け罪で検挙された場合、罰金刑がないため証拠が揃った場合には公判請求され刑事裁判に発展します。
盗品等有償譲受け罪については罰金刑がありますが、悪質だった場合には最大で10年の懲役刑が科せられることがあります。
盗品等譲受けの事件では、適切な弁護活動が求められます。
Aさんのように、事情を知ってい乍ら万引きした商品を購入した場合、本人の反省や余罪の有無などで刑が変わってくるでしょう。
また、もしAさんが万引きされたバッグであることを知らず、また、それを疑うような事情がなかった(例えばXさんが「自分で買ったけど使わなくなった」等言った場合)ということであれば、犯罪の故意がないとして罪に当たらないという主張をすることになります。
神奈川県南足柄市にて、盗品等有償譲受け罪/盗品等無償譲受け罪により捜査を受けている方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けて頂くことができます。
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