選挙中の立候補者を殴って公職選挙法違反（選挙の自由妨害）に

選挙中の立候補者を殴って公職選挙法違反（選挙の自由妨害）に

選挙のため演説をしている立候補者に対し暴力を振るったことで公職選挙法違反（選挙の自由妨害）に問われるという事例を想定して、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【ケース】

神奈川県中郡在住のＡさんは、中郡にて自営業で生活をしています。
事件の時期は公職選挙の選挙期間であり、立候補者や議員等が駅前で立ったり選挙カーに乗ったりして演説を行っていました。
Ａさんはそれをわずらわしく思い、駅前で街頭演説をしていた立候補者Ｖさんに対し問答無用で殴りかかりました。
目撃者が１１０番通報し、臨場した中郡を管轄する大磯警察署の警察官はＡさんを公職選挙法違反（選挙の自由妨害）で現行犯逮捕しました。
Ｖさんに怪我はありませんでした。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【暴力行為により怪我をしなかった場合には暴行罪に】

ケースで想定した事例では、ＡさんはＶさんに対しいきなり殴りかかるという暴力行為におよびました。
結果として、Ｖさんに怪我はありませんでした。
この場合、まずは暴行罪の成立が考えられます。
条文は以下のとおりです。

刑法２０８条　暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、２年以下の懲役若しくは３０万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

【公職選挙の演説などを妨害したらより重い公職選挙法違反に】

通常であれば前述の暴行罪の適用が考えられますが、今回ケースで想定した事案では、Ａさんは公職選挙に立候補して街頭演説をしているＶさんに対し暴行を加えたというものです。
この場合、公職選挙法の定める選挙の自由妨害罪に問われる可能性があります。
条文は以下のとおりです。

公職選挙法２２５条　選挙に関し、次の各号に掲げる行為をした者は、４年以下の懲役若しくは禁錮又は１００万円以下の罰金に処する。
　１号　（略）
　２号　交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき。
　３号　（略）

立候補者が街頭演説を行っている最中に暴行を加えたというＡさんの行為は、「選挙に関し」「演説を妨害し」「選挙の自由を妨害した」と言えるため、この条文が問題となり得ます。
選挙の自由は民主主義の根幹であることから、違反した場合の刑事罰も暴行罪に比べ重いものとなっています。

【家族が逮捕されたら弁護士に】

家族が逮捕された場合、
・逮捕直前に家族から連絡が来る
・逮捕後に捜査を担当する司法警察員から逮捕の知らせを受ける
・対象者が帰宅しないことで警察署に捜索願を出そうとしたところ逮捕された旨知らされる
・実名報道が行われる
・裁判所から勾留通知が届く
などにより、身柄拘束されていることが分かります。
しかし、被疑者となっている家族の方は、電子端末などを使用することはできません。
逮捕前に弁護士に依頼をしている場合を除き、当番弁護士や（要件を満たした場合に）国選弁護人の接見を要請することはできますが、弁護士を選んで接見を要請することはできません。
刑事事件・少年事件を専門とする弁護士に弁護を依頼したいと考えた場合、逮捕されていない家族の方が、弁護を依頼する必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、これまで数多くの刑事事件・少年事件の弁護活動や付添人活動を経験して参りました。
神奈川県中郡にて、家族が公職選挙法違反（選挙の自由妨害）で逮捕された場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。
まずは弁護士が逮捕・勾留中の方のもとへ一度限り接見に行く初回接見サービスを行い、事情の確認を行ったうえで、依頼者の方にご説明致します。