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【報道解説】チケット転売で逮捕 チケット不正転売禁止法違反の弁護活動 | コラム | 刑事事件の弁護士なら横浜の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所

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【報道解説】チケット転売で逮捕 チケット不正転売禁止法違反の弁護活動

【報道解説】チケット転売で逮捕 チケット不正転売禁止法違反の弁護活動

神奈川県チケット不正転売禁止法違反事件ついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【報道紹介】

宝塚歌劇の公演チケットを高額で転売したとして、神奈川県警生活安全総務課とサイバー犯罪対策課、麻生警察署は20日、チケット不正転売禁止法違反の疑いで、東京都板橋区の韓国籍で無職の男(38)を逮捕した。
2019年6月に同法が施行された後、県警での摘発は初めて。
逮捕容疑は2019年9月頃、宝塚歌劇の入場券3枚をチケット売買仲介サイトを通じ、横浜市や東京都足立区などに住む女性3人に高額転売した疑い。
県警によると、転売されたのは昨年9月から10月にかけて行われた宝塚星組の公演チケット。
男は自身や母親の名義で同サイトに会員登録し、フリマアプリで入手したチケットを出品していた。
定価8800円のチケットを1万7500円で転売するなど、定価計1万3800円のチケット3枚を計3万5400円で売却していた。
男は「定価を超える価格で転売したことは間違いない。生活費のためだった」と容疑を認めているという。
男は宝塚のチケット以外にも転売を繰り返し、これまでに2200万円以上を転売していたとみられ、県警で詳しく調べている。

(2020年2月21日の「埼玉新聞」の記事を元に、場所等の事実を一部変更したフィクションです。)

【チケット不正転売禁止法の立法趣旨】

市場価値のある商品の転売については、自由市場経済の側面から、転売は市場の需要に合致した価格に調整する機能があるとして、「転売」を肯定する意見も一部で存在します。

しかし、いわゆる「転売ヤー(転売屋)」と呼ばれる業者は、希少価値の高いチケット転売目的で大量に購入し、オークションサイトなどを利用して高額で販売しても、興行主や出演者などにとって何の利益もありません。

また、本当にチケットを必要としている消費者にとって、定価を超えた高額な代金を払うことは、大きな負担となります。
定価の価格でチケットを購入していたら、何度もコンサートやイベントなどへ行ったり、会場で販売されているタオルやTシャツなどのグッズを買ったりできたかもしれません。

これまでチケット転売は、「ダフ屋行為」として各都道府県の迷惑防止条例で取り締られてきました。
しかし迷惑行為防止条例では、インターネット上での売買には適用できないため、そういった「ダフ屋行為」に加え、インターネット上でのチケットの不当な高額転売等を禁止するため、「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」(通称「チケット不正転売禁止法」)が、2019年6月14日に施行されました。
(政府広報オンラインより一部引用)

【「特定興行入場券の不正転売」とは?】

チケット不正転売禁止法3条では、「何人も、特定興行入場券の不正転売をしてはならない。」と規定しています。
この規定に違反すると、チケット不正転売禁止法9条1項によって、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又は両方の刑が併せて科される可能性があります。

チケット不正転売禁止法で処罰対象となる「特定興行入場券の不正転売」は、「興行主の事前の同意を得ない特定興行入場券の業として行う有償譲渡であって、興行主等の当該特定興行入場券の販売価格を超える価格をその販売価格とするもの(チケット不正転売禁止法3条4項)」となっています。
つまり、プロ野球やコンサートのチケットのような「特定興行入場券」を興行主の事前の同意なく、反復継続して、定価を超える価格で転売する行為を刑事罰の対象にしているということです。

【チケット不正転売禁止法違反のでお悩みの方は】

施行からまだ数年しかたっていない法律ですが、大型イベント等で国内需要が高まった時期には、チケット不正転売禁止法違反逮捕者が出たと報道されるようになりつつあります。
例えば、令和2年8月27日に大阪地方裁判所では、チケット不正転売禁止法と有印私文書偽造・同行使の成立を認めて、懲役1年6月(執行猶予3年)、罰金30万円の有罪判決が出されています。

このように実際にチケット不正転売禁止法違反違反で検挙・有罪とされた事例がありますでので、チケット不正転売禁止法違反違反の疑いで警察の捜査を受けられている方は、いち早く弁護士に相談して、今後の対応などについてアドバイスをもらうことをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
神奈川内でチケット不正転売禁止法違反の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部まで一度ご相談ください。

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横浜支部 支部長 弁護士
國武 優

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