公然わいせつ等事件で不起訴を獲得しました
事件概要
通勤で利用している電車内において、性器を露出し、女性に対して体液をかけた事件です。Aさんは、公然わいせつ罪、器物損壊罪、大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反の3つの罪に問われました。
事件経過と弁護活動
Aさんの逮捕を知ったご家族から初回接見サービスをご利用いただいた後に刑事弁護活動のご依頼を受けた弁護士は、まずAさんの身柄開放活動を開始しました。Aさんが会社勤めであることから、逮捕、勾留による長期欠勤によって、事件が会社に知れてクビになってしまうことを懸念していたご家族は、何よりもAさんの早期釈放を望んでいたのです。
Aさんは逮捕直後から容疑を認めており、弁護士が接見した際には、事件を起こしてしまったことに対して真摯に反省し、被害者に対する謝罪を口にしていました。弁護士は、その旨を記載した書類(意見書)に、ご家族の意見(上申書)を添えて検察官に勾留を請求しないように求めましたが、検察官は裁判所に対してAさんの勾留を請求したのです。
そこで弁護士は、勾留を判断する裁判官に対しても、検察官同様の意見書を提出し、勾留を許可しないように申し立てたのです。その結果、裁判官は弁護士の意見を採用し、検察官の勾留請求を却下しました。こうして釈放されたAさんは、逮捕から2日間の身体拘束を受けたものの、事件が会社に知られることはなく、会社復帰することができました。
釈放後も、警察はAさんに対して不拘束による取調べを継続しましたが、取調べの都度、弁護士はアドバイスを行い、Aさんをサポートしました。
またAさんの刑事処分を軽減するために被害者との示談交渉も行いました。弁護士が、被害者との示談交渉を開始した当初、被害者の処罰感情が強く、検察官が処分方針を決定するまでに示談を締結するのが困難に思われましたが、粘り強く弁護士が交渉を重ねたところ、処分決定前に示談を締結することに成功したのです。
この結果を弁護士から検察官に報告し、Aさんの不起訴を求めたところ、被害者との示談締結が大きく評価されてAさんは不起訴処分となりました。
解決のポイント
3つの罪に問われていたこの事件は、弁護活動を開始した当初、略式起訴による罰金刑になることが予想されましたが、被害者との示談に成功したことが大きく評価されて、不起訴処分を獲得することができました。
弁護士が、粘り強く被害者と示談交渉を行ったことが、この結果を得れた最大の要因ではないでしょうか。