暴走運転で観護措置に
- 2020年10月16日
- コラム
暴走運転で観護措置に
未成年者が友人らと暴走運転をするという共同危険行為被疑事件・保護事件と観護措置について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県厚木市在住のAは、厚木市内の会社に勤める18歳の会社員です。
Aには厚木市内で高校や大学に通う友人が8人ほどいて、彼らは休みの日や深夜にバイクで暴走運転をしていました。
普段は2~3人しか集まらないのですが、事件当日は全員が集まったことから8人全員でバイクを運転し、厚木市内を走行していました。
しかし、騒音が激しく危険な運転をしていたことから、警ら中の厚木市内を管轄する厚木警察署の警察官はAらに制止を求めましたがそれを聞き入れず、更なる暴走を行いました。
Aらはバイクにてパトカーから逃げ切るよう走行しましたが、Aはその最中に転倒してしまい、警察官らによって確保され暴走運転による共同危険行為の罪で現行犯逮捕されました。
Aが逮捕された旨の連絡を受けたAの家族は、Aが今後どのような刑罰を受けるのか、観護措置とはどういう手続きなのかについて、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士に質問しました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【暴走運転について】
昨今では「暴走族」などと呼ばれる集団については減少している印象がありますが、暴走運転での検挙は今なお報じられています。
では、暴走運転をした場合にはどのような罪が適用されるのでしょうか。
暴走運転をした場合、共同危険行為という罪の適用が検討されます。
共同危険行為の条文は以下のとおりです。
道路交通法68条 二人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において二台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない。
同117条の3 第六十八条(共同危険行為等の禁止)の規定に違反した者は、二年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
共同危険行為にあたる暴走運転には、例えば蛇行運転や信号無視、道路に目一杯広がって他の車を走行させないような行為が挙げられます。
その他、たとえば無免許の者が運転していた場合には無免許の罪に問われ、そのバイクを貸した人などは無免許運転の幇助が考えられます。
マフラー等車両の改造により不正改造にあたるバイクを運転した場合には不正改造等の禁止に当たります。
いずれも行政上の責任のみならず刑事上の責任にも問われる可能性があります。
【観護措置について】
観護措置について、裁判所のホームページでは「主に家庭裁判所に送致された少年の審判を円滑に進めたり,少年の処分を適切に決めるための検査を行ったりすることなどが必要な場合に,少年を少年鑑別所に送致し,一定期間そこに収容すること」としています。
観護措置が行われた場合、鑑別担当者との面談や心理学に基づいた検査、少年鑑別所での行動観察が行われます。
観護措置にはメリットも少なくないのですが、基本的に観護措置は身柄を収容して行うため、学校や会社に行けなくなり社会生活から乖離することでもとの生活ができなくなるなどのデメリットもございます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ケースのように少年が逮捕されている場合、まずは初回接見に行きお子さんからお話を聞いた上で少年事件の見通しや観護措置の可能性について御説明致します(有料)。
神奈川県厚木市にて、お子さんが暴走運転による共同危険行為で逮捕され、観護措置の可能性について知りたいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部に御連絡ください。