痴漢で失職を回避
- 2020年9月18日
- コラム
痴漢で失職を回避
痴漢事件を起してしまい,自身の職場に連絡がいってしまった場合の失職を回避する弁護活動について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県横浜市泉区在住のAは,横浜市内のとある官公庁に勤める公務員です。
ある日,Aは仕事の帰りに酒を飲み,ほろ酔い気分で帰宅のため列車に乗車していました。
そして,横浜市泉区内を走行中,座席の隣に座っていた女性Vの太ももを撫でまわしました。
被害を受けたVは痴漢を受けたとして別の乗客にも声を掛け,最寄り駅でAを引きずり下ろしました。
Aは逃走を図りましたが同駅の駅員によって制止され,その後臨場した横浜市泉区を管轄する泉警察署の警察官により逮捕されました。
Aが逮捕されたという連絡を受けたAの家族は,この件がAの勤め先に発覚してしまうのか,初回接見に行った刑事事件専門の弁護士に質問しました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【痴漢について】
ケースの場合は,神奈川県横浜市泉区での事件ですので,神奈川県迷惑行為防止条例が問題となります。
痴漢というと,胸や臀部(お尻)を触ることを想像される方が多いかと思われます。
しかし,神奈川県迷惑行為防止条例を見ると,以下のとおり規定されています。
神奈川県迷惑行為防止条例3条 何人も、公共の場所にいる人又は公共の乗物に乗つている人に対し、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
1項 衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から、又は直接に人の身体に触れること。
つまり,公共の場所や乗り物で被害者を著しく羞恥させたり不安を覚えさせるようなかたちで被害者に触れた場合,胸や陰部などのような場所でなくとも痴漢行為にあたるのです。
これに違反して痴漢行為をした場合,「1年以下の懲役又は 100 万円以下の罰金」という処罰を受けることがあります。
【刑事事件で勤め先に発覚?】
刑事事件を起してしまった方やその御家族にとっての関心事の一つに,事件が勤め先に発覚するか否かが挙げられるでしょう。
勤め先に発覚する経路には,以下の場合が考えられます。
⑴逮捕・勾留が長期に亘ることで出勤ができずに発覚する。
⑵被害者などが勤め先に連絡する。
⑶警察官などの捜査機関が勤め先に連絡する。
⑴については,身柄拘束をされてしまい,それが理由で出勤ができないことで勤め先に発覚するという場合です。
通常勤務していた方が突然出勤できなくなった場合,その理由を問われることでしょう。
その際,例えば体調不良などを理由にすると診断書が必要となると思われますし,家族の病気・死亡などであれば「本人から連絡ができるはずだ」と言われるかもしれません。
⑵については,基本的に被害者がすぐに加害者の連絡先を知ることは難しいと思われますが,何らかの形で調べることが出来るかもしれません。
⑶については,その方の地位などにより異なります。
ケースについてみると,Aは公務員という立場です。
公務員の場合,本人確認などの理由により事件の重さに関わらず連絡される場合がほとんどです。
一方で,民間の方であれば,勤め先に連絡がいかない場合がほとんどです。
もっとも,氏名や勤め先を黙秘していて身分証が見つかった場合などに本人確認を行うなどの目的で連絡されることは考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は,これまで数多くの刑事事件を取り扱ってまいりました。
先述のとおり,刑事事件を起した場合に勤め先に連絡がなされるのか否かについては重大な関心事でしょう。
弊所では,それらに対応する状況に応じた弁護活動を行っています。
例えば,⑴であれば早期の身柄解放活動を行ったり,⑵については被害者との情報公開をしない旨の約定を示談書に入れるよう努めたり,⑶については勤務先に必要な連絡を入れた上で終局処分について説明を行うことが必要となってくるでしょう。
神奈川県横浜市泉区にて,御家族が痴漢で逮捕されてしまい勤務先への発覚を御心配されているかたがおられましたら,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部に御連絡ください。