DVで逮捕され釈放へ
- 2020年12月5日
- コラム
DVで逮捕され釈放へ
いわゆるDV(ドメスティックバイオレンス、家庭内暴力)が原因で逮捕され、釈放を求める弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県鎌倉市在住のAは、鎌倉市内の会社に勤める会社員です。
Aには夫Vがいますが、AはVに厳しく当たることが多く、日頃から殴る蹴るの暴行を加えていました。
事件当日もAは癇癪を起し、Vに対して殴る蹴るの暴行を加えていました。
AやVの大声を聞きつけた近隣住民は、異常事態だと思い警察署に通報しました。
通報を受けて臨場した鎌倉市内を管轄する大船警察署の警察官は、Aを逮捕しました。
逮捕の連絡を受けたAの両親は、DVで逮捕された子の釈放を求め、刑事事件専門の弁護士に弁護を依頼しました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【DVで問題となる罪について】
パートナーや配偶者、両親や子どもなどの家族に対して暴力を振るうなどのいわゆるDVで刑事事件では、被疑者(加害者)の行動と被害者の怪我の有無などにより、以下の罪にあたる可能性があります。
・暴行罪
相手に手を出したが怪我にまでは至らなかった場合には、暴行罪が適用されます。
暴行罪の条文は以下のとおりです。
刑法208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
・傷害罪
相手に手を出した結果相手が怪我をした場合は罪が重くなり、傷害罪が適用されます。
傷害罪は暴行罪の結果的加重犯にあたるため、暴行罪との判断が難しくなりますが、基本的に病院に行って診断書が出た場合、たとえ全治一週間程度の傷であっても傷害罪での捜査対象となります。
傷害罪の条文は以下のとおりです。
刑法204条 人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
・殺人未遂罪
被害者に対して行う暴行について、被疑者に殺意があると認められた場合、結果として相手が怪我をしたか否かに関わらず殺人未遂罪が適用されます。
DVでの事件の中には、包丁やバットなど家庭内にある凶器を持ち出したり、「殺してやる」と言って首を絞めたり強い殴打を繰返し行ったりする事案もあり、それらには殺人未遂罪が適用される可能性があります。
殺人未遂罪は、殺人罪(法定刑は死刑又は無期若しくは五年以上の懲役。)の未遂犯処罰です。
【釈放を求める弁護活動】
逮捕という刑事手続きについては、ご存知の方が多いでしょう。
しかし、中には誤解されている方もおられるようですが、逮捕は刑罰ではありません。
よって、必ずしも罪の重さで逮捕される・されないということが決まっているわけではありません。(侮辱罪のような軽微な刑罰しか用意されていない罪での事件の場合には逮捕のハードルが高くなります。)
中には「家庭内のことで」あるいは「暴行罪など軽微な事件で」とお思いの方がおられるようですが、もとよりDVは刑事事件としても生命の危険にさらされる重大な事件になりかねず、決して軽微な事件とは言えません。
また、DVの場合は被害者と加害者が同居している、あるいはそれに近い状況になるため、釈放した場合には加害者が被害者に接触しやすくなることから勾留に至る場合も少なくありません。
勾留決定がなされた場合、検察官による勾留請求の日(逮捕の翌日の場合が多いです。)から数えて最大で20日間、家に帰れない状態になります。
仕事のため、家族のためにも、早期に釈放したいとお思いの方もおられるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件・少年事件専門の弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、これまでDVなどの家族間での刑事事件に多数対応してまいりました。
DV事件での釈放を求める弁護活動では、加害者を実家で生活してもらうなどし、一時的にでも被害者と離れて生活をし、安定・調整を図るなどの対応が必要です。
神奈川県鎌倉市にて、御家族がDVが刑事事件に発展してしまい逮捕された場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部に御連絡ください。
まずは弁護士が初回接見に行き、被疑者となっている方からお話を伺った後今後の見通しや釈放の可能性について御説明致します。(初回接見は有料です。)