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ファクタリングで刑事事件に | コラム | 刑事事件の弁護士なら横浜の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所

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ファクタリングで刑事事件に

ファクタリングで刑事事件に

ファクタリングで刑事事件になる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県川崎市川崎区在住のAは、川崎市川崎区内の会社に勤める会社員です。
Aには多額の借金があり、返済に苦慮していました。
そこでAは金策について調べていたところ、給与ファクタリングという仕組みがあることを知りました。
Aはファクタリングを使って金を手に入れようとしたところ、ファクタリング会社が複数あることを知り、それぞれに「今月の給与の請求権」を譲り渡し、金を手にしました。

ファクタリング会社は、Aが複数譲渡していることに気が付き、川崎市川崎区を管轄する川崎臨港警察署に被害届の提出を検討しています。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【ファクタリングについて】

ファクタリングという契約をご存知でしょうか。
ファクタリングは売掛債権買取業と称されるもので、民法上の支払いを請求する権利(債権)があるものの、その債権回収期限前にお金が欲しい場合などに、第三者に対して債権を譲り渡すというものです。

例えば、会社員の方が毎月25日に給与の振込が行われると仮定し、10日の時点でどうしても入用という場合に、ファクタリング会社に「給与を受け取る権利」を渡します。
権利を譲り渡した会社員は給料日前に(給料から手数料分を差し引かれた金額の)お金を受け取ることができ、ファクタリング会社は手数料を受け取ることができる、というものです。

【ファクタリングでの刑事事件】

法律に則ったファクタリングは有効な契約です。
一方で、巷では違法なファクタリング行為があることも事実です。
ファクタリングで刑事上の問題になる場合について、以下で検討します。

①ファクタリング会社側の問題
・詐欺事件
当然ファクタリングの契約をする場合には契約書を交わすことが一般的です。
しかし、口頭で説明した際の手数料と書面上の手数料(あるいは実際に振り込まれた金額)が違うという場合があるようです。
これは、詐欺罪にあたる可能性があります。
通常であれば、詐欺の被害に気が付いた時点で被害者側から捜査機関に申告すると考えられますが、中には生活に困っていて仕方がないと考える場合もあるようです。

詐欺罪の条文は以下のとおりです。
刑法246条1項 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
 同2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

・出資法違反事件
上述のファクタリングについて、現時点では貸金業法上の登録は必要とされていません。
しかし、例えばXの賃金債権をYが買い取ってYがXに金銭を交付したものの、賃金債権の回収をX自身に行わせるような行為はファクタリングには当たらず、貸金業法上の業務に当たります。
このようにファクタリングを装って貸金業法上の登録を受けずに手数料(実際には金利)を受け取ったり、登録しているものの出資法が定める金利(当ブログ掲載時点で109.5%)を超える年利換算での利息を支払わせる行為は貸金業法違反に当たる可能性があります。

②ファクタリングを利用した消費者側の問題
・詐欺事件(二重譲渡)
通常、給与は月に1度に限り振り込まれます。
よって、給与の請求権利は1件にも拘わらず、複数のファクタリング会社に対して別の会社とファクタリングの契約をしていることを秘して契約をした場合、請求権がないにも拘わらずそれがあるように見せて金銭を交付させることに繋がります。
ケースはこれに該当すると考えられますが、これは詐欺罪に当たると考えられます。

詐欺罪の条文については前述のとおりです。

・詐欺事件(金額の偽造)
ケースのほかに、給与明細を書き換えて、自身の給与を高く見せるなどしてファクタリングを受ける場合が考えられます。
この場合も詐欺罪の適用が考えられます。
また、給与明細を書き換えていることから私文書偽造・同行使罪の適用も考えられます。

神奈川県川崎市川崎区にて、ファクタリング詐欺などの刑事事件にあたる行為をしてしまったという場合、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部に御連絡ください。

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横浜支部 支部長 弁護士
國武 優

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