不正アクセスでの取調べ対応
- 2021年1月3日
- その他の刑法犯事件
不正アクセスでの取調べ対応
いわゆる不正アクセスをしてしまい、取調べを受ける場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県横浜市金沢区在住のAは、横浜市金沢区内の会社に勤める会社員です。
Aには交際相手Vがいて、Aの家で半同棲状態が続いていました。
その間、VがAの家にあるタブレット端末を利用し、Vのアカウントにログインしてメールやネットショッピングなどを行っていました。
しかし、AとVとは次第に不仲になり、離別してしまいました。
Vとの離別後、Aは自身のタブレット端末を使用していたところVのアカウントのIDやパスワードが自動登録されていることに気が付きました。
Vへ未だ未練があったAは、無断でVのアカウントにログインし、Vのメールなどを盗み見て今現在交際相手がいないか等をチェックしていました。
しかし、Vは他人が自身のアカウントにログインしていることに気が付き、横浜市金沢区を管轄する金沢警察署の警察官に相談しました。
Aは在宅で取調べを受けることになりました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【不正アクセス禁止法について】
ケースのAは、Vのアカウントにログインするために情報を取得したりランダムにパスワードをしたりしたわけではなく、Vが使った際にパスワード等が自動的に登録されていました。
登録されていたこと自体は偶然でありVの確認不足もありますが、だからと言ってVの許可なくVのアカウントにログインする行為は、不正アクセスに当たる可能性があります。
不正アクセスは、不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)に違反します。
不正アクセス禁止法3条 何人も、不正アクセス行為をしてはならない。
同11条 第3条の規定に違反した者は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
【取調べ対応について】
刑事事件を起こした、あるいは起こしたと疑われている方のことを「被疑者」と呼びます。
捜査機関は、被疑者を逮捕・勾留して身柄事件として捜査を進める場合と、在宅で捜査をする場合があります。
身柄事件の場合も在宅事件の場合も、警察官(あるいは麻薬取締官・海上保安官などの特別司法警察職員)や検察官は、被疑者に対して取調べを行います。
取調べでは、基本的に捜査機関が質問をして被疑者が回答し、最終的にその内容が「供述調書」というかたちで書面に纏められます。
最後に(あるいは後日)、供述調書の読み上げをされ、その内容に問題がなければ署名捺印を求められます。
被疑者は、内容に問題ない場合には署名捺印をすることはできますが、内容に意義がある場合にはその旨申し立てを行う必要がありますし、署名捺印そのものを拒否する権利もあります。
署名捺印をもって完成された供述調書は、裁判等での証拠書類として扱われます。
取調べ室には取調べの対象者以外は(弁護士も含め)入ることができません。
また、取調官の中には、誘導したり威圧的な態度をとったりして事実とは異なる供述調書を作成し、署名捺印を迫る場合もあるようです。
そのため、在宅事件であっても身柄事件であっても、取調べの前に弁護士と打ち合わせを行い、御自身の記憶の喚起や取調べでのルールなどの説明を受けた上で、取調べを受けることが望ましいと言えるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所は、身柄事件はもとより在宅事件についても御依頼頂くことができます。
神奈川県横浜市金沢区にて、不正アクセスをして不正アクセス禁止法違反の嫌疑をかけられ、取調べを受ける可能性があるかたがおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部に御連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で御相談を受けることができます。