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保護責任者遺棄致死事件で裁判員裁判に | コラム | 刑事事件の弁護士なら横浜の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所

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保護責任者遺棄致死事件で裁判員裁判に

保護責任者遺棄致死事件で裁判員裁判に

保護責任者遺棄致死事件を起こしてしまった場合の罪と裁判員裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県横浜市神奈川区在住のAは、横浜市神奈川区の会社に勤める会社員です。
Aは一人親で子どもが2名いて、近隣に身寄りは誰もおらず一人で子ども達を養っていました。
ある日、Aは友人から酒席に誘われてしまい、そこに出席しました。
その際ベビーシッターなどは付けず、6歳の子どもに2歳の子どもの面倒を見るよう伝えて家を2人きりにしました。
その後Aは数時間酒を飲んで帰ってきたところ、6歳の子どもは泣きじゃくっており、2歳の子どもは窓から転落して死亡していました。

通報を受けて臨場した横浜市神奈川区を管轄する神奈川警察署の警察官は、Aを保護責任者遺棄致死罪で逮捕しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【保護責任者遺棄致死罪とは】

保護責任者遺棄致死罪とは、高齢者や子どもなど、自律が困難な方を監督する立場にある者がその責任を放棄した結果対象者を死亡させてしまった場合に成立します。
保護責任者遺棄致死罪の条文は以下のとおりです。

刑法218条 老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する。
同219条 前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

【裁判員裁判について】

まず、裁判員裁判は9人の合議体で行われますが、その内訳は職業裁判官3人と裁判員6人です。
職業裁判官とは、司法試験に合格して司法修習を行い、その後裁判官に任官した人を指します。
一方で裁判員とは、衆議院議員選挙人名簿に登録されている有権者(18歳以上の日本国民であり、選挙権が停止されていない人)の中から無作為に選ばれた、法曹関係者を除く一般人です。

例えばアメリカなどでは類似の手続に陪審員という制度がありますが、陪審員は法廷で見聞きしたことだけで職業裁判官の手解きはなく、有罪か無罪かの判断のみを行います。
一方で我が国の裁判員は、有罪か無罪かの判断に加えて有罪の場合の量刑(例えば懲役2年、執行猶予4年など)についても判断をします。

裁判員裁判の対象となる事件は重大事件に限定されており、ケースのような強盗殺人をはじめ危険運転致死罪や現住建造物等放火罪、利益を求めるために覚せい剤を所持した罪、身代金目的誘拐などがあります。
一般国民の感覚が盛り込まれている裁判員裁判で下された判決は、性犯罪や殺人罪などを中心にこれまでの判例に比べて幅が出てきている状況にあります。

通常裁判は数ヶ月から数年に及ぶ場合もあります。
しかし、一般国民である裁判員にとってその負担を強いることは妥当ではないと考えられるため、裁判員裁判ではより迅速な裁判を目指しています。
そのため、裁判員裁判の前には必ず公判前整理手続きという手続きが行われます。
公判前整理手続きでは、検察官と弁護士が互いに提出する証拠を決める作業が行われます。
そのため、弁護士としては、被告人にとっていかに有利な証拠を引き出し、不利な証拠を請求させないか、というテクニックが必要になります。
加えて、裁判員裁判では、通常の裁判で用いられる「思料する」「しかるべく」「その余(よ)」「宥恕(ゆうじょ)」などといった一般的でない言葉は極力避けたり解説を入れるなどして、裁判員に対して分かりやすい言葉で説明を行う必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
神奈川県横浜市神奈川区にて、御家族などが保護責任者遺棄致死罪などの裁判員裁判対象事件で逮捕されてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部に御連絡ください。

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横浜支部 支部長 弁護士
國武 優

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