飲酒検知拒否で逮捕？

飲酒検知拒否で逮捕？

飲酒検知を拒んだことにより逮捕された場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県横浜市金沢区在住のAは、横浜市金沢区内の会社に勤める会社員です。
Aは事件当日、お酒などを飲むことなく自動車を運転して帰宅する途中でした。
しかし、パトロールをしていた横浜市金沢区を管轄する金沢警察署の警察官が車を制止し、Ａに対して「飲酒運転でないかの検知を行いますので一度車から降りてパトカーに乗ってください。」と言いました。
Aは急いで家に帰りたかったためそれを拒否し、警察官から「任意ではなく受ける義務があります。」と説明を受けたものの、それを聞き入れませんでした。
そこで、対応に当たっていた警察官は、Aをその場で飲酒検知拒否の罪で逮捕しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【飲酒検知拒否について】

例えば薬物使用の被疑者について、採尿を拒んだ場合には令状を請求して執行しなければ採尿は出来ません。
では飲酒運転か否かを確認する飲酒検知はというと、運転手は道路交通法上、（令状なしに）飲酒検知をすることが出来ることが定められています。
飲酒検知についての条文は以下のとおりです。

・道路交通法６７条３項　車両等に乗車し、又は乗車しようとしている者が第６５条第１項の規定に違反して車両等を運転するおそれがあると認められるときは、警察官は、次項の規定による措置に関し、その者が身体に保有しているアルコールの程度について調査するため、政令で定めるところにより、その者の呼気の検査をすることができる。
・同法１１８条の２　第６７条（危険防止の措置）第３項の規定による警察官の検査を拒み、又は妨げた者は、３月以下の懲役又は５０万円以下の罰金に処する。

よって、たとえ飲酒運転をしていなかったとしても飲酒検知を拒否すること自体が罪になるため、逮捕され、刑罰を受ける可能性があるのです。

【逮捕されたら弁護士へ】

警察官などの捜査機関は、被疑者を逮捕して捜査を進めるか、逮捕せずに在宅で捜査をすることが出来ます。
逮捕には通常逮捕、現行犯逮捕及び緊急逮捕に分けられます。
ケースについては令状請求することなくその場で逮捕しているため、現行犯逮捕にあたると考えられます。
この現行犯とは「現に罪を行い、又は現に罪を行ない終わつた者」を指します。（刑事訴訟法２１２条１項、２項）
現行犯逮捕は令状主義の例外にあたりますが、逮捕全体の４０％程度が現行犯逮捕となっています。

身柄拘束された場合、逮捕されてから４８時間以内に検察庁に送致されます。
この４８時間の間に、被疑者は捜査機関に対して自身の弁解を述べる書類が作成されます。
また、検察官に送致された後も、改めて検察官の前で弁解を述べる機会が与えられます。
これは、あくまで被疑者の弁解なので、取調べとは違い被疑者自身の考えを書き起こす書類です。
しかし、書類は裁判で証拠として検察官側から請求されることになる書類ですので、極めて肝心です。
そのため、逮捕後すぐに弁護士が接見に行き、アドバイスを行うことが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部では、初回接見という有料のサービスを行っています。
初回接見は、弁護士が一度に限り接見に行くという契約です。
初回接見を御希望される場合、弊所では原則として初回接見費用をお振込頂いた後２４時間以内に、弁護士が接見に伺います。
神奈川県横浜市中区にて、御家族の方が検知拒否で逮捕されてしまった場合、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部に御連絡ください。