飲酒運転で事故をして逃走
- 2020年10月4日
- コラム
飲酒運転で事故をして逃走
アルコールを窃取して運転をする飲酒運転をしていたところ人身事故を起こしてしまい、逃走した場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県横浜市金沢区在住のAは、横浜市金沢区内の会社に勤める会社員です。
Aは朝方まで酒を飲み、その後数十分寝た後車で会社に出勤しようとしました。
しかし、実際にはアルコールが残っていて、それが起因してハンドル操作を誤り、電柱にぶつけてしまいました。
Aは飲酒運転が発覚するとまずいと思い、車でその場を離れました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【飲酒運転について】
各都道府県の警察官が取締等を続けていますが、今なお飲酒運転での事件は少なくありません。
前提として、事故の有無にかかわらず、酒を飲んだ状態で運転すること自体が問題となります。
・酒気帯び運転
酒気を帯びて運転をすることは、道路交通法で禁止されています。
一般的に、酒気帯び運転の疑いがある場合等には、警察官らは呼気での検知を行います。
その結果、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15ミリグラム以上だった場合、酒気帯び運転とされます。
酒気帯び運転に関する条文は以下のとおりです。
道路交通法65条1項 何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
道路交通法117条の2の2 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
同4号 第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第一項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの
・酒酔い運転
呼気中のアルコールが0.15ミリグラム以上であり、且つ酒に酔った状態で運転をした場合、酒酔い運転と称され酒気帯び運転より厳しい刑罰が科せられます。
飲酒運転が酒気帯び運転なのか酒酔い運転なのかについては、呼気検査で呼気に含まれているアルコールの量や、歩行検査(一定の距離を、ふらつかず直進で歩行できるか)等により判断されます。
酒酔い運転に関する条文は以下のとおりです。
道路交通法117条の2 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
同1号 第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第一項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの
【逃走した場合の罪】
飲酒運転で検知を行う場合、運転をしていた時点でのアルコール濃度を検知する必要があります。
しかし、事故を起こした後に逃走したり、検知の直前に酒を飲むなどしてアルコールを摂取した場合、飲酒運転をしていた時点でのアルコール濃度を測ることが出来なくなります。
しかし、このような形で正確な検知を免れようとした場合、アルコール発覚免脱罪に当たる可能性があります。
アルコール発覚免脱罪の条文は以下のとおりです。
自動車運転処罰法4条 アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合において、その運転の時のアルコール又は薬物の影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコール又は薬物を摂取すること、その場を離れて身体に保有するアルコール又は薬物の濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは、十二年以下の懲役に処する。
神奈川県横浜市金沢区にて、御家族が飲酒運転事件を起こしてしまった場合まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部に御連絡ください。