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神奈川県相模原市緑区で発生した架空の事例で検討―盗撮事件で成立する罪と弁護活動について | コラム | 刑事事件の弁護士なら横浜の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所

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神奈川県相模原市緑区で発生した架空の事例で検討―盗撮事件で成立する罪と弁護活動について

神奈川県相模原市緑区で発生した架空の事例で検討―盗撮事件で成立する罪と弁護活動について

2023年の新法成立により、盗撮と呼ばれる行為がより明確になり厳罰化されることとなりました。
今回は、神奈川県相模原市緑区での盗撮についての架空の事件を踏まえて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が検討します。

【ケース】

神奈川県相模原市緑区在住のAさんは、相模原市緑区の会社に勤める会社員です。
Aさんは、同僚Vさんのトイレを撮影したいと考え、相模原市緑区の会社が入るビルのトイレに通販サイトで購入した小型カメラを設置し、盗撮を試みました。
同僚Vさんはトイレを使用した際に小型カメラに気付き、会社社長に相談したうえで通報し、臨場した相模原北警察署の警察官によって捜査が開始されました。
Aさんは自身による盗撮行為であることが発覚すると不安に思い、弁護士に相談しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【盗撮による性的姿態等撮影罪の成立】

性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律
2条1項 次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金に処する。
1号 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等…のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの…を撮影する行為
イ 人の性的な部位…又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆  うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
ロ イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等…がされている間における人の姿態
2号 刑法第176条第1項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為
3号 行為の性質が性的なものではないとの誤信をさせ、若しくは特定の者以外の者が閲覧しないとの誤信をさせ、又はそれらの誤信をしていることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為
4号 正当な理由がないのに、13歳未満の者を対象として、その性的姿態等を撮影し、又は13歳以上16歳未満の者を対象として、当該者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者が、その性的姿態等を撮影する行為
2項 前項の罪の未遂は、罰する。
3項 前2項の規定は、刑法第176条及び第179条第1項の規定の適用を妨げない。

盗撮については、従前は各都道府県の定める迷惑行為防止条例に違反する行為として、処罰されていました。
しかし、都道府県によって刑事罰に差があるほか、我が国上空を飛行している途中の飛行機内等どの都道府県で行われた盗撮なのか分からない等、実務上の不都合がありました。
そこで、2023年7月13日施行の性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(以下、性的姿態撮影等処罰法)が新設され、いわゆる盗撮事件はこの法律で処罰されることになります。

今回のAさんの場合、トイレで行った盗撮事件を想定していることから、「人の性的な部位…又は人が身に着けている下着のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分」を「ひそかに…撮影する行為」をしたとして、性的姿態撮影等処罰法2条1項1号イに該当します。
罰条は3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金に処すると定められています。

なお、被害者からの被害申告がないなどの場合、性的姿態撮影等処罰法2条1項1号の言う「正当な理由」に該当するかどうか明らかではないという場合、従前どおり各都道府県の定める迷惑行為防止条例違反として処理されます。
今回のAさんの場合、神奈川県相模原市緑区での事件を想定しているので、神奈川県迷惑行為防止条例が問題となります。
※詳細はこちらのページをご覧ください。

【トイレでの盗撮による建造物侵入罪】

トイレに侵入した行為について、これは建造物侵入罪が成立します。
条文は以下のとおりです。

刑法130条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

トイレは、建造物として評価されます。
盗撮をするためにトイレに入る行為は正当な理由とは言えませんので、建造物侵入罪が適用されます。

【盗撮事件での性的姿態撮影等処罰法違反と建造物侵入罪の関係】

今回のような盗撮と建造物侵入罪は牽連関係にあるとされます。
牽連関係とは、一方が目的で、他方が手段である場合を指します。
Aさんの場合、トイレに入ることが目的なのではなく、盗撮する目的のためにトイレに侵入していると考えられますので、牽連関係にあると考えられます。
牽連関係にある場合、もっとも重い刑に処するとされています。(刑法54条1項後段)
罰条は、
性的姿態撮影等処罰法違反…3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金
建造物侵入罪…3年以下の懲役又は10万円以下の罰金
となっているため、Aさんに有罪判決が言い渡された場合には3年以下の懲役又は300万円以下の罰金の範囲内で処罰されます。

【盗撮事件での弁護活動は当事務所へ】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部では、これまでに数多くの盗撮事件に携わってきました。
今回のようなAさんの盗撮事件の場合、設置しているカメラに複数人の被害者が映っている場合が考えられ、それぞれの被害者との示談交渉が考えられます。

また、職場などコミュニティの中での盗撮事件の場合、被害者の名前や連絡先を被疑者(加害者)が知っていると考えられるため、身体拘束のリスクも高いです。
予め受任している事件では逮捕の回避を求める弁護活動が、逮捕・勾留後の場合は釈放を求める弁護活動が、それぞれ必要になります。

そのほかにも、否認している事件では取調べ対応が重要となり、前科がある・繰り返し犯行に及んでいる等の場合には起訴されることもあり得るため刑事裁判での情状弁護が重要です。
このように、盗撮などの刑事事件では各事件に即した弁護活動が重要になります。

神奈川県相模原市緑区にて、御自身が盗撮事件で捜査されている場合、家族が性的姿態撮影等処罰法違反で逮捕されている場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご相談下さい。

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國武 優

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