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カツアゲで強盗事件に?① | コラム | 刑事事件の弁護士なら横浜の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所

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カツアゲで強盗事件に?①

カツアゲで強盗事件に?①

カツアゲ強盗事件になってしまった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

〜事例〜
21歳のAさんは、遊ぶ金欲しさから、友人のBさん・Cさんとつるんで、横浜市戸塚区の路上でカツアゲを繰り返していました。
カツアゲの被害を多数受けた神奈川県戸塚警察署が捜査を開始し、Aさんらがカツアゲをしていることが発覚した結果、Aさんらは強盗致傷罪の容疑で神奈川県戸塚警察署に逮捕されてしまいました。
Aさんは、カツアゲ強盗致傷罪などという重大な犯罪になるとは思っていなかったため、逮捕されてからことの重大さに気がつきました。
警察官から、「他のカツアゲについても捜査される」と聞いたAさんは、今後のことが不安になり、家族の依頼で神奈川県戸塚警察署まで接見にやってきた弁護士に今後の流れや見通し、すべき活動について相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・カツアゲで強盗致傷罪になる?

カツアゲとは、相手を脅して金品を巻き上げることを指します。
このカツアゲ行為が犯罪になることは想像に難くないかもしれませんが、果たして今回のAさんのように強盗致傷罪になることはあるのでしょうか。

一般に、カツアゲ行為は刑法の恐喝罪にあたるとされることが多いです。

刑法第249条第1項
人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

恐喝罪のいう「恐喝して」とは、暴行又は脅迫を用いて、相手方の反抗を抑圧するに足りない程度に畏怖させ、財物の交付を要求することを指しています。
こう考えると、相手を脅して金品を巻き上げるカツアゲ行為は、確かに恐喝罪に当たるだろうということがわかります。
しかし、ここで注意しなければならないのは、恐喝罪において用いられる暴行や脅迫は、相手の反抗を抑圧するに足りない程度、すなわち、相手が反抗できる程度の強さでなければならず、それを超えて相手が抵抗できないほどの強さの暴行や脅迫は想定されていないということです。
ここで、恐喝罪で用いられる暴行・脅迫の範囲を超えて、相手が抵抗できないほどの強さの暴行・脅迫を用いて財物を奪取したような場合に成立が考えられるのが強盗罪ということになるのです。

刑法第236条第1項
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。

強盗罪も、暴行又は脅迫を手段とすることは恐喝罪と共通しています。ですが、この強盗罪の「暴行又は脅迫」は、恐喝罪のものとは異なり、相手の反抗を抑圧する程度=相手が反抗できなくなる程度の強さが必要とされています。
恐喝罪が暴行又は脅迫によって相手を怖がらせ、怖がらせたことによって相手の意思で財物を引き渡させる犯罪ですが、強盗罪は暴行又は脅迫によって相手の反抗を押さえつけ、相手の意思に反して財物を奪う犯罪ということになります。

今回のようなカツアゲ事件について考えてみましょう。
多くのカツアゲは相手を怖がらせて金品を差し出させるという態様ですが、それがヒートアップして相手が抵抗できないほどの暴行・脅迫を用いて金品を巻き上げていれば、恐喝罪ではなく強盗罪が適用される可能性も出てくると考えられるでしょう。
なお、強盗罪にあたる行為をして相手に怪我をさせてしまった場合には、強盗致傷罪が成立します。

刑法第240条
強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

今回のAさんは、相手の抵抗を押さえつけるほどの暴行又は脅迫によって金品を巻き上げ、相手に怪我をさせてしまったということで強盗致傷罪の容疑で逮捕されてしまったのでしょう。
では、今回のAさんは今後どのような手続き・見通しになっていくことが考えられ、どのような弁護活動が可能なのでしょうか。

次回の記事で取り上げます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部では、カツアゲによる刑事事件や強盗致傷事件のご相談・ご依頼にも、刑事事件専門の弁護士が迅速に対応します。
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横浜支部 支部長 弁護士
國武 優

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