子供が暴走行為で書類送検されてしまったら
- 2021年12月18日
- コラム
子供が暴走行為で書類送検されてしまったら
子供が暴走行為で書類送検されてしまったというケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。
~事例~
ある日、神奈川県横須賀市に住んでいるBさんは、神奈川県浦賀警察署から連絡を受けました。
連絡の内容は、Bさんの息子である高校生のAさんが、20人ほどで原付やバイクを暴走させていたため、警察署に連れてきて取調べをしているので、迎えに来てほしいというものでした。
Bさんは、連絡を受けてすぐに神奈川県浦賀警察署にAさんを迎えに行きました。
そこでBさんは、警察官から「今後呼出して取調べを受けてもらって書類送検になると思う」と話されました。
Bさんは、「子供のしたことで書類送検されるのか」と驚き不安になり、神奈川県の刑事事件・少年事件を扱っている弁護士に相談することにしました。
(※令和3年12月7日YAHOO!JAPANニュース配信記事を基にしたフィクションです。)
・暴走行為と犯罪
今回の事例のAさんは、20人ほどで原付やバイクを暴走させたということのようです。
こうした暴走行為は、道路交通法によって「共同危険行為」として禁止されています。
道路交通法第68条
二人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において二台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない。
今回の事例のAさんは未成年のため、原則刑罰を受けることはありませんが、共同危険行為の刑罰は以下のように設定されています。
道路交通法第117条の3
第68条(共同危険行為等の禁止)の規定に違反した者は、2年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
・子供でも書類送検される?
書類送検という言葉は、ニュースなどでも使われることがあるため、多くの方が日常生活で耳にしたり目にしたりする機会があるでしょう。
書類送検とは、事件に関する証拠や書類を検察庁へ送ることを言います。
刑事事件・少年事件では、多くの場合、警察が事件を認知して捜査を開始することになります。
警察での捜査が終了したら、その事件は検察庁にいる検察官へ送られる=送致されることとなり、その後、検察官が事件を起訴するかどうか決めたり(成人の刑事事件の場合)、家庭裁判所へ送ったり(少年事件の場合)します。
今回のAさんの事例のように、逮捕によって身体拘束されていない事件=在宅事件では、検察庁へ物理的に送致するのは事件に関連した書類のみということになりますから、書類を検察官へ送致する=書類送検と呼ばれているのです。
対して、逮捕によって身体拘束を受けている事件では、検察庁へ事件を送致する際、被疑者本人も検察庁へ行って検察官から話を聞かれることになります。
少年事件の場合、捜査段階の流れは基本的には成人の刑事事件と同様の流れをたどることになります。
ですから、警察での取調べも受けることになりますし、送検も行われます。
Aさんのような在宅事件であれば書類送検もされます。
少年事件と成人の刑事事件の手続が大きく異なるのはこの後です。
成人の刑事事件であれば、書類送検後に検察官が起訴・不起訴の判断をして刑事裁判となるかどうかが決まりますが、少年事件の場合は、原則として検察官は家庭裁判所に事件を送致することとなっています。
そして、その後家庭裁判所では少年やその家族の調査が行われ、更生のためにどういった部分を改善すべきなのか、どういった処分が適切なのか検討されます。
その調査の結果をもとに、審判を開き、少年の処分を決定する流れとなります。
自分の子供が少年事件を起こし、書類送検といった言葉を聞いて、不安になられる方も多いでしょう。
そういった時こそ、専門家である弁護士を活用しましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部では、初回無料法律相談も行っています。
少年事件で不安を感じたら、お早めにご相談ください。