強制わいせつで否認
- 2021年2月2日
- コラム
強制わいせつで否認
強制わいせつ事件の嫌疑をかけられているものの否認する場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県平塚市在住のAは、平塚市内の会社に勤める会社員です。
ある日、Aの自宅に平塚市内を管轄する平塚警察署の警察官が自宅にきて、強制わいせつ罪で家宅捜索を受けました。
その後、警察署で警察官による取調べを受けた際、数日前に平塚市内の路上で男子学生が見知らぬ者により背後から抱きしめられ、陰部を揉みしだくという事件が発生し、Aが被疑者に酷似しているとのことでした。
Aは、たしかに事件当時仕事からの帰宅途中ではあったものの、事件については何も知らないとして否認を貫こうと考えています。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【強制わいせつ罪について】
認否は追って検討するとして、まずこの事件を起こした被疑者は、突然被害者の背後から抱き着き陰部を揉みしだくというわいせつ行為を起こしています。
強制わいせつ罪は「強制」と書いていることから、強いてわいせつ行為を行う必要があります。
強制とは「暴行又は脅迫を用い」ることを指しますが、ケースについて考えると、声をかけずにいきなりわいせつな行為をしているため、脅す言葉や暴行があったわけではありません。
しかし、突然相手を抱きしめた場合については、被害者側の反抗を著しく困難な状態にさせたとして、暴行があったと評価される可能性があります。
強制わいせつ罪と言うと、被疑者(加害者)が男性で被害者が女性という印象強いと思われます。
しかし、刑法の定める強制わいせつ罪は性別を問わないため、女性が男性に対し、男性が男性に対し、あるいは女性が女性に対してわいせつな行為をした場合であっても強制わいせつ罪に当たります。
刑法176条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
【否認事件の内容】
捜査機関から嫌疑をかけられているものの、事実とは異なる場合に異を唱えることを、否認すると言います。
反対に、被疑事実を認めている場合を自白事件などと呼びます。
否認事件にはどのような場合があるのかについて、以下で検討致します。
・犯人性の否認
これは、事件自体は間違いなく発生したものの、犯人が別の人物であるという場合です。
近年では商業施設や駐車場など様々な場所に監視カメラが設置されていることから、犯人の特徴を客観的にとらえることが出来る場合もありますが、深夜や監視カメラがない場所では被害者などの目撃証言による場合が少なくありません。
被疑者と被害者や目撃者が知人同士である場合には見間違うことは少ないと考えられますが、初対面などであれば被疑者の特徴などを見間違えてしまうこともあると考えられます。
・故意の否認
特別の規定がある場合を除き、刑事事件は故意犯処罰の原則があるため、意識的に事件を起こした場合を除き故意が否定され処罰されないことになります。
ケースの場合には考えにくいですが、たとえば雨や雪の日に路面で滑ってしまい、偶然前にいた被害者に抱き着くようなかたちになってしまった場合であれば、故意を争うことになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
弊所では、刑事事件を起こしてしまった場合だけでなく、刑事事件を起こしてしまったと疑われている方の御相談も少なからず承ります。
神奈川県平塚市にて強制わいせつ事件を起こしてしまったとして逮捕・検挙されているものの否認しているという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部に御連絡ください。