無免許運転でスピード違反して身代わり出頭③
- 2020年8月24日
- コラム
無免許運転でスピード違反して身代わり出頭③
無免許運転をしていたところスピード違反(速度超過)で検挙されそうになり、身代わり出頭した場合の問題点と実名報道について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県川崎市中原区在住のAは、川崎市中原区内の会社に勤める会社員です。
Aはドライブをするのが趣味なのですが、以前に人身事故(過失運転致傷事件)を起こしてしまい、結果として免許停止処分になりました。
しかし、それでも運転をしたいと考えたAは、免許を有していないにも拘らず自動車を運転してしまい、その上高速道路で法定速度(100km/h)の場所を170km/hで走行してしまいました。
ところが、走行中、いわゆるオービスが光ったことに気が付きました。
慌てたAがそのことを後輩であるVに話したところ、Vから「俺は免許あるので俺が運転していたことにしますよ。」と言われました。
そして、Vがいわゆる身代わり出頭という形で、自身がA所有の車を運転していてオービスが光ったのですが…という申告を行いました。
ところが、その行為が身代わり出頭として罪を重ねることになり、以前に実名報道された事件もあるということを知り、無免許運転・スピード違反による罪と、身代わり出頭の問題点について、そして自身が実名報道される可能性があるのか、刑事事件専門の弁護士に無料相談しました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【スピード違反(速度超過)について】
【無免許運転について】
【身代わり出頭について】
ケースでは、本来Aが起こした事件でAが出頭しなければならないにも拘らず、事情を聴いたVが身代わり出頭しています。
この行動は、どのような問題があるのでしょうか。
身代わり出頭をするということは、本当の犯人を隠して自分が犯人と偽って出頭することを意味します。
よって、Vには犯人隠避罪が適用される可能性があります。
また、身代わり出頭の場合にはA自身が犯人隠避教唆の罪に問われることも考えられますが、教唆の罪は特定の罪を犯す意思がなかった者に対して唆す行為が必要ですので、ケースのようにV自ら提案して行った身代わり出頭の場合、Aに対する犯人隠避教唆の罪での立件は困難でしょう。
刑法103条 罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
【刑事事件での報道について】
我々が日々見聞きする新聞やテレビなどのマスメディアで、刑事事件の内容についての報道が日々行われています。
その際、被疑者・被告人(加害者側)を実名で報道するという場合も少なくありません。
まず、我が国では実名報道されていない事件の方が多数です。
では、実名報道される・されないの基準はどこなのかというと、基本的にマスメディア側の裁量に委ねられることになります(報道の自由・国民の知る権利の保障)。
政治家や大企業の会社員といった地位にある方や、事件の悪質性・特異性などの観点から国民の関心が強いと考えられる事件では、実名報道がなされる傾向にあります。
一方で、例えば軽微な罪で国民の関心が小さい事件については、実名報道されないと言えるでしょう。
また、それ以上に話題性の大きな事件が発生した場合などであれば、記事が小さくなるあるいは実名報道されなくなることも考えられます。(最も、最近は紙媒体やテレビではなくネットが主流となりつつあり、ネットでは新聞やテレビと異なり枠の制限がないため、可能性は低いかもしれません。)
一度実名報道がなされると、SNSやインターネットなどで情報が拡散され、場合によっては御家族などに迷惑を掛けることも少なくないでしょう。
当然実名報道は回避したいところですが、先ほども申し上げたとおり、基本的には実名報道は弁護士で回避できるものではありません。
しかし、その対処法として、例えば警察に発覚する前に出頭して逮捕のリスクを回避するなどの対応は考えられます。
在宅で書類送検される場合等でも実名報道される可能性はありますが、逮捕の場合に比べて話題性に欠けると考えられるからです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件専門の弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、これまでスピード違反や無免許運転といった交通違反などの刑事事件についても対応しています。(行政事件については対応していませんので、免許証についての御相談などは受け付けていません。)
神奈川県川崎市中原区にて、無免許のうえスピード違反をしてしまい、他人が身代わり出頭してしまったという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部に御連絡ください。
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