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ノーブレーキ自転車を運転した疑いで取調べ | コラム | 刑事事件の弁護士なら横浜の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所

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ノーブレーキ自転車を運転した疑いで取調べ

ノーブレーキ自転車を運転した疑いで取調べ

ノーブレーキ自転車を運転した疑いで取調べを受けたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説いたします。

~ケース~

神奈川県横須賀市に住んでいるAさんは、後輪にブレーキを備えていないスポーツタイプの自転車を神奈川県横須賀市内の道路で運転していたところ、巡回していた神奈川県田浦警察署の警察官に呼び止められました。
警察官からは「あなたの自転車は法律に違反する。神奈川県田浦警察署に来てほしい」と告げられ、驚いてしまいました。
Aさんとしては、自身の運転していた自転車が法律に違反するとは考えていなかったからです。
Aさんが警察官に従って行った先の神奈川県田浦警察署では、「ブレーキは前輪と後輪に備えていないと、道路交通法に違反する」と言われ、Aさんは取調べを受けました。
Aさんは、逮捕されることはなく家に帰ることはできたものの、これからどうなってしまうのかと不安に思っています。
(フィクションです)

~Aさんにはどのような罪が成立する?~

Aさんは、ノーブレーキの自転車を運転していたことで、神奈川県田浦警察署に呼ばれています。
Aさんとしては犯罪の意識がなかったようですが、今回の事例のAさんには道路交通法違反の罪が成立する可能性があるといえます。

道路交通法第63条の9第1項は、「自転車の運転者は、内閣府令で定める基準に適合する制動装置を備えていないため交通の危険を生じさせるおそれがある自転車を運転してはならない」としています。
上記内閣府令である道路交通法施行規則第9条の3は、次の通り基準を定めています。

道路交通法施行規則第9条の3
法第六十三条の九第一項の内閣府令で定める基準は、次の各号に掲げるとおりとする。
一 前車輪及び後車輪を制動すること。
二 乾燥した平たんな舗装路面において、制動初速度が十キロメートル毎時のとき、制動装置の操作を開始した場所から三メートル以内の距離で円滑に自転車を停止させる性能を有すること。

上記によると、前後の車輪に適切な性能を有するブレーキが付いていない=ノーブレーキの自転車を運転する行為は、道路交通法第63条の9第1項に違反することになります。
Aさんの自転車は、後輪にブレーキがついていないので、後輪を制動することができません。
したがって、Aさんの自転車は「内閣府令で定める基準に適合する制動装置を備えていないため交通の危険を生じさせるおそれがある自転車」に該当します。

このような自転車を運転し道路交通法違反となり、有罪判決が確定すると「5万円以下の罰金」に処せられます(道路交通法第120条第1項第8号の2)。

スポーツタイプの自転車には、ブレーキが片輪又は両輪に備えられていないものがあります。
その特性を楽しむためにこのようなノーブレーキの自転車が存在していることは理解できますが、公道で運転することは、道路交通法違反となる立派な犯罪行為です。
言うまでもありませんが、公道には歩行者やその他の車両、障害物などが存在します。
十分に自転車を制動できないままこれらと衝突すれば、大きな事故にもつながります。
基準に適合した制動装置を備えない自転車を公道で運転することは絶対にやめましょう。

~Aさんは今後どうなる?~

ノーブレーキの自転車の運転で道路交通法違反の容疑をかけられてしまったAさんですが、今後どのように処理されていくのでしょうか。

(捜査)
警察での捜査を受けた後、事件が検察へ送致されるでしょう。
検察に送致された後は、検察官の取調べを受けることになります。
Aさんが裁判にかけられるか否かは、捜査の最終段階において検察官により判断されます。

(最終的な処分)
略式手続により裁判にかけられるか、不起訴処分とされることになるでしょう。

略式手続とは、書面のみの審理により、略式命令によって「百万円以下の罰金又は科料」を科する制度です。
法廷で裁判を受ける必要はありませんが、その代わりAさんの言い分を主張することはできません。
略式手続に応じるべきかどうかは、弁護士のアドバイスを受けるなどしたうえで、慎重に判断するべきでしょう。

また、Aさんが真摯に反省の態度を示すなどすれば、不起訴処分となる場合もあります。
法定刑が5万円以下の罰金なので、かなり少額といえますが、罰金刑を受けた事実は前科となります。
不起訴処分を獲得できれば、裁判にかけられないので前科が付かずにすみます。

警察に検挙され、はじめてノーブレーキ自転車の運転が犯罪であることを知る方もおられるかもしれません。
今後の刑事手続について不安がある方は、弁護士と相談し、アドバイスを受けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ノーブレーキ自転車を運転した疑いで検挙され、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご相談ください。

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横浜支部 支部長 弁護士
國武 優

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