スピード違反で裁判に
- 2021年2月18日
- コラム
スピード違反で裁判に
スピード違反をしてしまった場合の罪と裁判での対応について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県三浦市在住のAは、三浦市内の会社に勤める会社員です。
Aは休日、三浦市内の国道・県道において、制限速度40km/hの道を108km/hで走行していました。
しかし、三浦市を管轄する三崎警察署の警察官がAの車を追尾し、68km/hのスピード違反ということで検挙しました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【スピード違反での刑事罰】
我が国では、一般道で60km/h、高速道路で(一部区間を除き)100km/hを法定速度と定め、天候や道路の状況などに応じて40km/h、80km/hなどの制限速度を設けています。
この速度を超えて走行するスピード違反は、道路交通法等の法律に違反する行為です。
まず、一般道で30km/h未満、高速道路で40km/h未満の場合については、交通反則告知書(いわゆる青切符)で処理されます。
青切符は、違反ではあるものの軽微な交通違反について、反則を認め反則金を納付することで刑事罰を受けなくて済むという制度です。
しかし、上記以上のスピード違反をしてしまった場合、青切符の対象にはなりません。
この場合、告知書(いわゆる赤切符)が交付されるなどして、刑事罰を受けることになる可能性があります。
一般的に、前科がない方が上記のスピード違反をした場合、最終的には略式手続で罰金刑を受けます。
【切符に署名しなかった場合】
青切符や赤切符を交付する際、警察官は違反者がその事実を認める場合には署名を求めます。
しかし、違反者はその処理に納得しない場合には、切符に署名しないという選択肢があります。
署名をしなかった場合には略式手続では処理されないため、正式裁判になる可能性があります。
【著しいスピード違反】
ケースのような60km/hを超えるスピード違反の場合、たとえ初犯で運転手がスピード違反について認めた場合であっても、正式裁判になる可能性が高いです。
【裁判前の弁護活動】
スピード違反で裁判になる前にはどのような弁護活動があるのか、検討致します。
まず、刑事事件の被疑者側が嫌疑について認めているのか否かが問題となります。
スピード違反をしてしまったことについて認めている場合であれば問題となりませんが、スピード違反を否認した場合、パトカー追跡時の運転操作に問題がないか、計測機に問題がないか、あるいはオービスなどで撮影された者と被疑者とが本当に同一人物なのか、などの問題について検討する必要があります。
否認の結果、不起訴になるという可能性もありますが、否認を貫くことで正式裁判になるというリスクも考えられます。
次に、(主に)被疑者が刑事事件を起こしてしまったと認めている場合について、示談が検討されます。
示談は、被害者がいる事件で、被害者側が示談に応じる意思を示した場合に謝罪と賠償のほか誓約を行うことを指します。
もっとも、スピード違反だけの場合は被害者がいないため、ケースには当てはまりません。
そのため、示談に代わる贖罪寄付を検討する余地があります。
【裁判になった場合の弁護活動】
では、実際の裁判になった場合にはどのような弁護活動が考えられるでしょうか。
まず、被告人が否認をしている場合、裁判前に引続き捜査や犯人性の問題がないのか、検討する必要があるでしょう。
示談については、起訴前に出来る場合が理想的ですが、事件の内容や被害者の意向によっては裁判の途中で示談を行うという場合もございます。
もっとも、先述のとおりスピード違反には被害者がいないため、示談はできません。
そのほか、裁判で犯情や一般情状について主張していく必要があります。
スピード違反で言うと、犯情については破水した妊婦がいて救急車の到着までに時間を要するため自車でスピード違反をし乍ら病院に行った等の事情を、一般情状については自車を廃車にしたり贖罪寄付を行ったり事件が原因で失職するなど社会的制裁を受けたりした等の事情を、それぞれ主張していくことになります。
神奈川県三浦市にて、スピード違反で正式裁判になる可能性がある場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部に御連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で御相談いただけます。