ストーカーで逮捕
- 2020年9月3日
- その他の刑法犯事件
ストーカーで逮捕
いわゆるストーカー行為で逮捕される場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県横浜市磯子区在住のAは、横浜市磯子区内の会社に勤める会社員です。
ある日、Aには5年間交際をしていたVという相手がいましたが、Aの浮気発覚が原因でAとVとは交際を解消することになりました。
しかし、それに未練があったAは、その後もVに対してしつこく連絡したり会いに来たりしていました。
それに対し、Vは「もう連絡したり会いに来たりしないで」とAに対してメールを送りましたが、その後もAはVの家の前に花束を置いたり、直接郵便受けに手紙を投函したりしていました。
それに気が付いたVは横浜市磯子区を管轄する磯子警察署に相談をした上で被害届を提出しました。
後日、磯子警察署の警察官はAの自宅に行き、Aをストーカー行為により通常逮捕しました。
逮捕の知らせを受けたAの家族は、ストーカー行為で逮捕される場合やその逮捕の手続きについて、刑事事件専門の弁護士に質問しました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【ストーカー規制法について】
ケースのように、行為を抱いている相手に対してつきまといや連絡を繰り返す行為は俗にストーカー行為と呼ばれます。
このストーカーは、回数や行為の内容によっては罪に問われる可能性があります。
ストーカーの場合に問題となる罪は、ストーカー行為等の規制等に関する法律(通称ストーカー規制法)により禁止され、処罰規定を設けられています。
・つきまとい等について
まずストーカー規制法での定義について、「つきまとい等」という言葉が設けられています。
これは、「特定の物に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすること」と定められています。
そして、以下のような行為を列挙しています。
⑴つきまとい、待ち伏せや見張り、うろつきなどの行為
⑵被害者に対し、監視していると思わせるような言動や行動
⑶面会や交際と言った義務のない行為を要求する行動
⑷乱暴な言動
⑸無言電話や、拒否された後の電話・FAX・メール等
⑹自身の体液などの汚物や動物の死骸などの不快な物を送りつけるような行動
⑺被害者の名誉を害するような言動等
⑻性的な嫌がらせ等
・ストーカー行為について
ストーカー規制法が定義する「ストーカー」とは、前述のつきまとい等のうち⑴~⑸(メールやSNS等を繰り返し送りつける場合のみ)を繰り返すことを指します。
・罰則規定について
ストーカーをした場合の法定刑は「一年以下の懲役又は百万円以下の罰金」と規定されています。(ストーカー規制法18条)
また、被害者からの申し出により警察署が禁止命令等を下すことができますが(被疑者にも聴聞の機会が得られます。)、その禁止命令に違反してストーカー行為を行った場合には「二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金」に、ストーカー行為までには至らなかった場合でも「六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金」に処されます。(同19条1項、20条)
【逮捕されたらすぐに弁護士へ】
ご案内のとおり、警察官などの捜査機関は被疑者を逮捕することができます。
もっとも、やみくもに逮捕することができるわけではなく、事前あるいは事後的に裁判所に逮捕状などの請求を行い、発布された逮捕状を基に逮捕が執行されるということになります。
逮捕は刑罰ではありません。
逮捕は、刑事事件の被疑者と疑われる合理的な理由がある場合であり、捜査において必要な場合(証拠隠滅の恐れがある、逃亡の恐れがある場合等)にのみ行われます。
ケースのようなストーカー規制法違反事件では、被疑者が被害者の連絡先や住所、職場などを知っている場合が多いため、捜査を受けていることに気付いた時点で被害者と接触して報復したり証拠隠滅を図る可能性があることから、逮捕されるケースも少なくありません。
逮捕された後は、定められた時間内に手続きが進められていきます。
そのため、被疑者が逮捕された場合は直ぐに刑事事件専門の弁護士に事件を依頼することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
神奈川県横浜市磯子区にて、御家族がストーカー規制法違反で逮捕された場合には、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部に御連絡ください。