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立ち小便で逮捕 | コラム | 刑事事件の弁護士なら横浜の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所

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立ち小便で逮捕

立ち小便で逮捕

酒に酔って路上などトイレ以外の場所で用をたす、いわゆる立ち小便での刑事上の問題について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県小田原市在住のAは、小田原市内の会社に勤める会社員です。
ある日、Aは小田原市内の飲食店にて酒を飲み、自宅に帰ろうとしていました。
すると、自宅から出てきたカップルVらが、道端で接吻しているところを目撃しました。
それを見て腹が立ったAは、自身の陰部を出して、Vが出てきた家の路上に面した壁に放尿をしました(いわゆる立ち小便)。
Aの立ち小便を目撃したXは警察署に通報し、Aは臨場した小田原市内を管轄する小田原警察署の警察官により逮捕されました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【立ち小便が刑事事件に?】

男性であれば、尿意を我慢できずに道路わきなどで立ち小便をした経験があるという方もおられるのではないでしょうか。
しかし、立ち小便をした場合、以下のような罪に問われる可能性があります。

・軽犯罪法違反
立ち小便でまず検討されるのは、軽犯罪法違反です。
問題となる条文は以下のとおりです。

軽犯罪法1条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
26号 街路又は公園その他公衆の集合する場所で、たんつばを吐き、又は大小便をし、若しくはこれをさせた者

ケースの場合、街路で小便をしていることから、これに違反します。
法定刑については「拘留又は科料」と定められています。
拘留というのは1日以上30日未満の身柄拘束を指し、科料というのは1000円以上1万円未満の金額を国庫に帰属します。

・公然わいせつ
立ち小便をした場合、男性の陰部を露出して小便をすることが考えられます。
公然わいせつ罪の条文は以下のとおりです。
刑法174条 公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

例えば、立ち小便をする際に自身の陰部を隠さずした場合には公然わいせつに当たる可能性が高いですが、自身の陰部を隠して立ち小便をしたのであればその可能性は低くなると考えられます。

・建造物損壊罪
更に、建物の壁に小便をした場合に、建造物損壊罪を検討する必要があるでしょう。
建造物損壊罪の条文は以下のとおりです。

刑法260条 他人の建造物又は艦船を損壊した者は、五年以下の懲役に処する。よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

損壊とは物理的に破壊することは勿論のこと、効用を害する場合も該当します。
例えば、繰り返し立ち小便を繰り返した結果白い壁が黄ばんで落ちなくなった場合などであればこれに当たると考えられますが、一度立ち小便をしただけであれば、すぐに洗ったり雨で落ちて跡形もなくなるであろうことから、本罪の成立は考えにくいです。

(・威力業務妨害罪)
ケースの場合は自宅の壁に立ち小便をしたとしましたが、例えば飲食店などの壁であれば威力業務妨害罪が考えられます。
威力業務妨害罪の条文は以下のとおりです。
刑法234条 威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。
(刑法233条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。)

飲食店の壁に立ち小便をすると、それを見た者は嫌悪感を抱き、その飲食店を利用しないことが考えられます。

【軽微な事件でも逮捕される】

逮捕は刑罰ではなく、捜査に必要な場合に限り行われる身柄拘束です。
そのため、必ずしも事件の重さに比例するというわけではありません。
立ち小便などのような比較的軽微と思われる事件であっても、逮捕されることはあります。(逮捕の基準などについては、別日のブログをご参照ください。)

神奈川県小田原市にて、立ち小便などの軽微な事件で逮捕された場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部に御連絡ください。

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横浜支部 支部長 弁護士
國武 優

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