大麻所持で逮捕
- 2021年3月13日
- コラム
大麻所持で逮捕
大麻所持で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。
【事例】
神奈川県小田原市に住むAさん。
友人に勧められたことをきっかけとして、大麻を使用するようになりました。
ある日、自動車の中で大麻を吸い、その後眠くなったことから、道端に車を停めて眠っていたところ、巡回中の小田原警察署の警察官に職務質問されました。
Aさんの慌てる様子を見た警察官が車内を見渡したところ、残っていた大麻を発見。
Aさんは現行犯逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)
~大麻所持~
大麻は、海外の一部では、合法化の流れが進んでいます。
大麻は医療用と嗜好用に分けることができますが、特に医療用については合法としている国や州も増えてきています。
しかし現状の日本では、大麻を所持等は原則として違法とされています。
大麻取締法
第24条の2第1項
大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する。
このように、最高で5年の懲役という刑罰が定められています。
初犯の場合は、裁判を受けることになっても執行猶予が付くことが多いです。
しかし、猶予期間中に再度、何らかの犯罪をして有罪となれば、執行猶予が取り消され、新たに犯した罪の分と合わせて刑罰を受けることになるでしょう。
また、執行猶予期間が明けていても、再び大麻所持で検挙されると、今度は実刑判決を受けて刑務所行きとなる確率も高くなります。
~裁判を受けなくて済む場合も~
さきほど、裁判を受けることになっても執行猶予が付くことが多いと述べました。
しかし、そもそも裁判を受けなくて済む場合もあります。
比較的軽い事件では、今回は大目に見るということで、裁判にかけられず、刑罰も受けず、前科も付かずに刑事手続を終わらせてもらえることがよくあります。
これを不起訴処分といいます。
「起訴」が刑事裁判にかけるという意味なので、その反対ということになります。
大麻所持の場合でも、前科がない、しっかりと反省態度を示している、薬物依存の状態ではない、といった事情があればあるほど、不起訴となる確率が上がります。
また、場合によっては贖罪寄付(しょくざいきふ)というものを行うことが、不起訴処分の確率を上げるために有効な場合もあります。
贖罪寄付とは、犯罪予防の活動などにあてるため、弁護士会などの団体に寄付をすることを言います。
被害者がいる犯罪では、被害者に謝罪・賠償して示談をすることが、不起訴処分をしてもらう上で重要となります。
しかし、薬物犯罪の場合は直接的な被害者はおらず、示談ができません。
そこで、示談に代えて贖罪寄付をし、自らのしたことに対する反省をしっかり示すということになるのです。
他にも、薬物依存の状態になっていると疑われるようなケースでは、専門的な治療やカウンセリングを行っている病院などに通院するといった対応をすることも、再犯予防につながるだけでなく、不起訴処分を得たり、少しでも軽い判決を得るために重要となります。
~弁護士にご相談を~
あなたやご家族が、何らかの犯罪をして逮捕された、取調べを受けたといった場合、今後どのような手続きが進んでいき、どのような刑罰を受けそうかなど、分からないことが多いと思います。
具体的な事件の内容に応じて見通しをご説明いたしますので、ぜひお早めに弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
まだ逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用を、すでに逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用をお待ちしております。