Twitterの不正アクセス禁止法違反事件
- 2021年4月11日
- コラム
Twitterの不正アクセス禁止法違反事件
Twitterの不正アクセス禁止法違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは、Twitterの管理人になりすましたメッセージをVさん(神奈川県横浜市泉区在住)に送り、VさんのTwitterのアカウントのパスワードをAさん自身のメールアドレスに送信させ、VさんのTwitterのアカウントのパスワードを不正に取得しました。
そして、Aさんは、不正に取得したVさんのTwitterのアカウントのパスワードを用いて、VさんのTwitterのアカウントに不正にアクセスしました。
その後、Vさんが不正アクセス行為をされたと神奈川県泉警察署に相談したことでAさんによる不正アクセス行為が発覚しました。
Aさんは神奈川県泉警察署の警察官により、不正アクセス禁止法違反(不正アクセス行為の禁止等に関する法律違反)の容疑で逮捕されました。
(2020年10月23日にSTVニュース北海道に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)
【不正アクセス禁止法違反とは】
不正アクセス禁止法では、他人の識別符号を不正に取得する行為を禁止しています。
不正アクセス禁止法4条
何人も、不正アクセス行為(第2条第4項第1号に該当するものに限る。第6条及び第12条第2号において同じ。)の用に供する目的で、アクセス制御機能に係る他人の識別符号を取得してはならない。
また、不正アクセス禁止法では、不正アクセス行為を禁止しています。
不正アクセス禁止法3条
何人も、不正アクセス行為をしてはならない。
不正アクセス禁止法第2条では、第2号で「識別符号」、第4号で「不正アクセス行為」の定義について詳細に規定していますが、Twitterのアカウントのパスワードが、不正アクセス禁止法で定められた「識別符号」に該当することにも争いはありません。
そのため、AさんがVさんのTwitterのアカウントに不正にアクセスする目的で、VさんのTwitterのアカウントのパスワードを不正に取得する行為は、不正アクセス禁止法で禁止された他人の識別符号を不正に取得する行為に該当すると考えられます。
また、刑事事件例におけるAさんによる不正に取得したVさんのTwitterのアカウントのパスワードを用いてVさんのTwitterのアカウントにアクセスする行為は、不正アクセス禁止法で定められた「不正アクセス行為」に該当すると考えられます。
以上より、Aさんには不正アクセス禁止法違反の罪が成立すると考えられます。
【不正アクセス禁止法違反事件の刑罰】
不正アクセス禁止法第12条では、「第4条の規定に違反した者」は、「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と規定されています。
不正アクセス禁止法11条では、「第3条の規定に違反した者は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する」と規定されています。
【不正アクセス禁止法違反事件の逮捕・勾留】
AさんのようにTwitterの不正アクセス禁止法違反事件を起こし逮捕されている場合、逮捕に引き続いて、さらに長期の身体拘束である「勾留」という処分がなされる可能性があります。
Twitterの不正アクセス禁止法違反の容疑での勾留を避けるためには、家族などの身元引受人による厳格な監督があるなど、逃亡や証拠隠滅ができない環境を作り出し、逃亡などのおそれがないことを主張する必要があります。
また、被疑者が所有する電子機器が押収されているといった事情があれば、そういった事情も使って不正アクセス禁止法違反事件に関する罪証の隠滅のおそれがないと主張することも重要であると考えられます。
どういった事情をどのように証拠化して主張に含めていくのかは、刑事事件や法律の知識・経験がある専門家でなければなかなか判断がつきません。
だからこそ、弁護士に早期に相談することが効果的なのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
Twitterの不正アクセス禁止法違反事件を起こしお困りの際、刑事事件の被疑者となり逮捕されお悩みの際は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。