横浜市戸塚区の業務妨害事件 偽計業務妨害罪と威力業務妨害罪の違いは
- 2022年1月27日
- コラム
業務を妨害する犯罪である、偽計業務妨害罪と威力業務妨害罪の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。
横浜市戸塚区の業務妨害事件
横浜市戸塚区在住のネット動画配信者Aさん(20代・男性)は動画作成のために、
「戸塚駅で謎の液体をまき散らしている人がいます!」
と嘘の通報をし、警察官10名を出動させました。
しかし、そのような事実がなかったことが発覚し、通報者であったAさんは、偽計業務妨害罪の疑いで神奈川県戸塚警察署から呼び出しを受けました。
今後、事件がどのように進んでいくのか不安になったAさんは、刑事事件を扱う法律事務所に相談することにしました。
(フィクションです)
偽計業務妨害罪とは
偽計業務妨害罪は、刑法第233条において、虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて人の信用を毀損した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処すると定められています。
偽計業務妨害罪にあたる偽計とは、人を欺くこと、または人の錯誤や不知を利用することをいいます。
そして、条文中の虚偽の風説とは、真実と異なった事項を不特定または多数の人に知れ渡るように伝達することをいいます。
偽計業務妨害罪の偽計にあたると認められた例としては、暗証番号を盗撮する目的で、一般客のように装ってATMを占拠し続けた行為や、銭湯の入口付近に「休業」と書いた紙を掲示して銭湯の営業を妨害した行為等があります。
Aさんが実際に駅で液体をまき散らした場合
もし、Aさん自身が、実際に駅で液体をまき散らし、駅の業務を妨害した場合、Aさんの行為は威力業務妨害罪にあたる可能性があります。
(※ただし、その液体は不燃性で、人体への影響が一切ない安全なものとします。)
威力業務妨害罪とは
威力業務妨害罪は、刑法第234条において、威力を用いて人の業務を妨害した者は3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処するとしています。
威力業務妨害罪にあたる威力とは人の意思を制圧するような勢力であると定義されています。
暴行や脅迫はもちろん、それに至らないものであっても、社会的な地位を利用した威迫や、団体の力を誇示したり、騒音喧騒を起こしたり、器物損壊をするなどし、人の意思を制圧するに足りる勢力も、威力業務妨害罪の威力に含まれるとされています。
威力業務妨害罪にあたると認められた事件例としては、弁護士のカバンを力づくで奪って自宅に持ち帰り、弁護士活動を妨害した事件や、インターネットの掲示板に無差別殺人を行う虚偽の予告をし、警察を警戒出動させ、警察の業務を妨害した事件等があります。
威力業務妨害罪と偽計業務妨害罪の区別
威力業務妨害罪と偽計業務妨害罪は、共に人の業務を妨害する犯罪です。
しかし、行為の態様または結果のいずれかが、公然・誇示的、可視的であれば威力業務妨害罪が成立する可能性が高いです。
一方で、行為態様または結果のいずれかがが非公然・陰密的、不可視的であれば偽計業務妨害罪が成立する可能性が高いです。
要するに、目に見える形でなされた業務妨害は威力業務妨害罪が成立する可能性が高く、目に見えない形でなされた業務妨害は、偽計業務妨害罪が成立する可能性が高いです。
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