刑事事件・少年事件専門
強盗罪
刑事事件に特化した弁護士に依頼することで, 身柄解放や示談交渉を円滑に進めることが期待できます。
第1 強盗罪
「強盗事件を起こして警察に逮捕された」
「示談をしたいが,被害者と連絡がつかずに困っている」
「他人殴ってお金を奪った容疑で警察の取調べを受けて不安だ」
このような悩みをお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。これらのケースは,強盗罪として刑罰を受ける可能性があります。強盗事件をお起こしたりその容疑をかけられてしまった場合,なるべく早く専門の弁護士に相談し,取り調べ対応,身柄解放,示談などの対応をとることが重要です。
身柄解放って,上手くいくの?
示談交渉って,どうやるの?
刑務所に行かなければいけないの?
今回は,強盗罪における処分の見通しと,強盗罪の容疑をかけられたときの対応について,解説します。
第2 強盗罪とは
1 強盗の罪
強盗といっても,様々な罪があります。「強盗」という言葉が含まれている罪は,以下のとおりです。
① 強盗罪 5年以上の懲役
② 利益強盗罪 5年以上の懲役
③ 強盗予備罪 2年以下の懲役
④ 事後強盗罪 5年以上の懲役
⑤ 昏睡強盗罪 5年以上の懲役
⑥ 強盗傷人罪,強盗致傷罪 無期又は6年以上の懲役
⑦ 強盗殺人罪,強盗致死罪 死刑又は無期懲役
⑧ 強盗不同意性交等罪 無期又は7年以上の懲役
⑨ 強盗不同意性交等致死罪 死刑又は無期懲役
2 強盗罪
強盗罪とは,暴行又は脅迫を用いて,相手から財物を奪う行為です。具体例としては,包丁を示して「逆らったら,殺すぞ。」と言ったり殴る蹴るの暴行を加えたりして,被害者から現金を奪った場合,強盗罪が成立します。法定刑は,5年以上の懲役です。
3 利益強盗罪
利益強盗罪とは,暴行又は脅迫を用いて,財産上不法な利益を得,又は他人に得させた場合,利益強盗罪が成立します。具体例としては,タクシー運転手から乗車料金を請求されたのに対し,殴る蹴るの暴行を加え,乗車料金の支払いを免れると,利益強盗罪が成立します。
強盗罪と利益強盗罪との違いは,現金といった物を手に入れるのか,債務の支払いを免れるといった目に見えない財産上の利益を得るかの違いです。
利益強盗罪の法定刑は,5年以上の懲役です。
4 強盗予備罪
強盗予備罪は,強盗を企てる行為について,成立します。
法定刑は,2年以下の懲役です。
5 事後強盗罪
窃盗が,財物を得てこれを取り返されることを防ぎ,逮捕を免れ,又は罪証を隠滅するために,暴行又は脅迫をした場合,事後強盗罪が成立します。具体例としては,コンビニで万引きをした者が,店員に呼び止められたのに対し,逮捕を免れるために,執拗に殴る蹴るの暴行を加える場合が挙げられます。
法定刑は,5年以上の懲役です。
6 昏睡強盗罪
人を昏睡させて財物を盗取すると,昏睡強盗罪が成立します。具体例としては,睡眠薬で被害者を眠らせた上で,現金を取る場合が挙げられます。
法定刑は,5年以上の懲役です。
7 強盗傷人罪,強盗致傷罪
強盗が人を負傷させたとき,強盗傷人罪,強盗致傷罪が成立します。怪我を負わせるつもりで,負傷させた場合,強盗傷人罪が成立します。怪我をさせるつもりなく,負傷させた場合,強盗致傷罪が成立します。
法定刑は,無期又は6年以上の懲役で,裁判員裁判対象事件となります。
8 強盗殺人罪,強盗致死罪
強盗が人を死亡させたとき,強盗殺人罪,強盗致死罪が成立します。殺害するつもりで,死亡させた場合,強盗殺人罪が成立します。殺害するつもりなく,被害者を死亡させた場合,強盗致死罪が成立します。
法定刑は,死刑又は無期懲役で,裁判員裁判対象事件となります。
9 強盗不同意性交等罪
強盗が被害者に対し不同意性交等をすると,強盗不同意性交等罪が成立します。不同意性交等とは,暴行や脅迫を加えた場合の他,被害者が性交等をすることについて真に同意している意思を形成できないような状況で,被害者の同意を得ずに,性交,肛門性交又は口腔性交をすることを指します。
法定刑は,無期又は7年以上の懲役で,裁判員裁判対象事件となります。
10 強盗強制性交等致死罪
強盗が,不同意性交等をし,被害者を死亡させた場合,死刑又は無期懲役に処されます。裁判員裁判対象事件となります。
なお,強盗が,不同意性交等をした際に,被害者に傷害を負わせた場合,明文の規定はないですが,強盗不同意性交等罪が成立し,傷害は情状として考慮されます。
第3 強盗と恐喝の区別
強盗と恐喝は,いずれも財物の取得に向けた,相手方に対する暴行又は脅迫がある点で,共通しています。違いは,暴行又は脅迫の程度です。
強盗の暴行又は脅迫は,相手方の反抗を抑圧させるに足りる程度のものです。他方,恐喝の暴行又は脅迫は,相手方の反抗を抑圧するに足りない程度のものです。より激しい暴行又は脅迫を加える場合が,強盗罪です。
第4 処分の見込み
強盗罪を犯した場合,重大犯罪なので,刑罰は懲役刑のみになります。また,執行猶予付きの判決を狙うのであれば,刑の減軽が必要となり,減軽を目指すことになります。
第5 強盗罪の容疑をかけられたら
1 なるべく早く弁護士に相談
専門の弁護士に相談することで,今後の処分の見通しについて知ることができ,対応がとりやすくなります。特に突然逮捕された場合には,これからの手続の進行が分からず,不安になることが多いでしょう。弁護士から適切なアドバイスをもらうことで,不安も和らぎます。
2 身柄解放
逮捕勾留をされた場合,身柄を拘束されるので,生活に大きな支障が生じます。仕事に行くことも,家に帰ることもできなくなります。身柄を拘束されて孤独な日々が続くと,肉体的にも精神的にも負担が大きいです。
被疑者,被告人の方のためには,早期の身柄解放が非常に重要となります。弁護士にご依頼いただければ,保釈等により,早期の身柄解放が可能です。
3 示談交渉
強盗事件を起こしている場合には,被害弁償や示談をすることで不起訴処分により 刑事裁判及び前科を回避したり,執行猶予などの軽い刑を目指したりすることができます。
被疑者,被告人の方が自ら示談交渉をしようとすると,いくつか困難な点があります。
まず,被害者との面識がない場合です。被害者の連絡先を知らなければ,示談交渉のしようがありません。警察が被疑者,被告人に被害者の連絡先を教えることはありません。このような場合,弁護士にご依頼をいただければ,連絡先を確認し,示談交渉に当たることが可能です。
また,被害者が複数いる場合も困難です。示談交渉の相手が増えるので,交渉が複雑化するからです。複数の交渉であっても,弁護士であれば適切に対処していきます。弁護士にご相談いただければ,適正な量刑相場を踏まえて,交渉をすることができます。
最後に,被害者の怒りが強い場合です。被疑者,被告人の方が連絡を取っても,被害者が感情的になってしまっていたら,交渉に全く応じてもらえないことが多くあります。このような場合に,弁護士が入ることで,被害者も冷静になり,交渉に応じてくれることがあります。被害者の方と直接やり取りをしないで良いというメリットもあります。
4 法廷弁護
公判請求された場合,刑事裁判が開かれます。無罪主張はもちろんのこと刑の減軽,執行猶予付きの判決を求めるのであれば,法廷での弁護活動が大切です。被告人の監督を約束する家族がいるのであれば,家族の証人尋問が考えられます。また,被告人質問も重要です。被告人の反省を十分に示す必要があります。弁護士に依頼すれば,綿密な準備と打ち合わせをした上で,刑事裁判に臨むことができます。
強盗傷人罪や強盗殺人罪,強盗不同意性交等致死罪は,裁判員裁判対象事件なので,弁護士が必要です。刑事事件を専門に扱う弁護士であれば,裁判員裁判について豊富な経験があります。手続の進行について,不安がなくなります。
第6 強盗罪の刑事手続に適切に対応するためには?
強盗事件のことでお困りの方。処分の見込みを知りたいという方。示談交渉に苦労している方。
そのような方は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弊所では,刑事事件・少年事件に特化した弁護士と専門のスタッフが揃い,無料の法律相談を行っています。
関係者が逮捕されてしまった場合は,最短当日に,弁護士が直接本人のところへ出張面会しに行く初回接見サービスもご用意しています。
関連記事
あらゆる刑事事件に精通しています!
脅迫・暴行罪
オレオレ詐欺
MENU
解決事例
お客様の声
弁護士コラム
ピックアップコラム
横浜支部の弁護士紹介
刑事事件・少年事件に特化した弁護士と専門スタッフの刑事弁護チームによる親身かつ全力のサポートで、事件の当事者の方やご家族の方と一緒に事件解決を目指してまいります
横浜支部 支部長 弁護士
國武 優