恐喝罪

刑事事件に特化した弁護士に依頼すれば，示談交渉や身柄解放を円滑に進めることが期待できます。

第１　恐喝罪でお困りの方

「家族が恐喝罪で逮捕された。」　　
「恐喝をしてしまったが，被害者の方に謝りたい。」

このような悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

逮捕された場合，早期に身柄を解放するためには，弁護士を就けることが大切です。また，示談の成立が，処分を軽くする上で，重要です。

身柄解放って，上手くいくの？　　　
示談交渉って，どうやるの？　　　
刑務所に行かなければいけないの？

今回は，恐喝罪とはどのような犯罪なのかという点と，処分の見込み，容疑をかけられた場合の対応について，説明します。

第２　恐喝罪とは

１　恐喝罪（刑法２４９条１項）

人を恐喝して財物を交付させた場合，恐喝罪が成立します。恐喝してとは，財物を交付させるために暴行又は脅迫をすることです。

財物とは，現金やキャッシュカードなどです。

恐喝罪の具体例としては，夜中に路上でカツアゲをして現金を得ることが挙げられます。

恐喝罪の法定刑は，１０年以下の懲役です。

２　利益恐喝罪（刑法２４９条２項）

人を恐喝して財産上不法の利益を得，又は他人にこれを得させた場合，利益恐喝罪が成立します。恐喝罪とは異なり，財物ではなく，財産上不法の利益が対象になります。

利益恐喝罪の具体例としては，タクシーに乗って運賃を請求されたときに運転手に暴行を加えて支払いを免れることが挙げられます。

利益恐喝罪の法定刑は，１０年以下の懲役です。

３　強盗罪との区別

暴行又は脅迫を加えて財産を得る点で，恐喝罪と強盗罪は共通しています。しかし，暴行又は脅迫の程度が異なります。

強盗罪における暴行又は恐喝は，相手方の反抗を抑圧するに足りる程度です。他方，恐喝罪における暴行又は脅迫は，相手方の反抗を抑圧するには足りない程度です。つまり，恐喝罪よりも，強盗罪における暴行又は脅迫の方が強いといえます。

第３　処分の見込み

１　処分の種類

恐喝罪で捜査を受けた場合，最終的な処分は大きく分けて３種類あります。不起訴，無罪判決，有罪判決です。有罪判決は，執行猶予の懲役刑判決と，実刑の懲役刑判決に分かれます。執行猶予と実刑の違いは，執行猶予では判決が出てからも社会で生活していくのに対し，実刑判決では判決から直ちに刑務所に行かなければならない点です。

２　処分を決めるポイント

ポイントは，暴行脅迫の内容，被害額の程度，示談の成否，前科前歴の有無です。

第４　恐喝罪で容疑をかけられてしまったら

１　なるべく早く弁護士に相談

弁護士に相談することで，今後の処分の見通しについて，知ることができます。特に突然逮捕された場合には，これからの手続の進行が分からず，不安になることが多いでしょう。弁護士から適切なアドバイスをもらうことで，不安が和らぎます。

２　身柄解放

逮捕勾留をされた場合，身柄を拘束されるので，生活に大きな支障が生じます。仕事に行くことも，家に帰ることもできなくなります。身柄を拘束されて孤独な日々が続くと，肉体的にも精神的にも負担が大きいです。

被疑者，被告人の方のためには，早期の身柄解放が非常に重要となります。弁護士にご依頼いただければ，保釈等により，早期の身柄解放が可能です。

３　示談交渉

被疑者，被告人の方が自ら示談交渉をしようとすると，いくつか困難な点があります。

まず，被害者との面識がない場合です。被害者の連絡先を知らなければ，示談交渉のしようがありません。警察が被疑者，被告人に被害者の連絡先を教えることはありません。このような場合，弁護士にご依頼をいただければ，連絡先を確認し，示談交渉に当たることが可能です。

また，被害者が複数いる場合も困難です。示談交渉の相手が増えるので，交渉が複雑化するからです。複数の交渉であっても，弁護士であれば適切に対処していきます。弁護士にご相談いただければ，適正な量刑相場を踏まえて，交渉をすることができます。

最後に，被害者の怒りが強い場合です。被疑者，被告人の方が連絡を取っても，被害者が感情的になってしまっていたら，交渉に全く応じてもらえないことが多くあります。このような場合に，弁護士が入ることで，被害者も冷静になり，交渉に応じてくれることがあります。被害者の方と直接やり取りをしないで良いというメリットもあります。

４　法廷弁護

公判請求された場合，刑事裁判が開かれます。刑の減軽，執行猶予付きの判決を求めるのであれば，法廷での弁護活動が大切です。被告人の監督を約束する家族がいるのであれば，家族の証人尋問が考えられます。また，被告人質問も重要です。被告人の反省を十分に示す必要があります。弁護士に依頼すれば，綿密な打ち合わせをした上で，刑事裁判に臨むことができます。