援助交際での身柄解放活動③
- 2020年11月16日
- コラム
援助交際での身柄解放活動③
いわゆる援助交際をした場合の罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県横須賀市在住のAは、横須賀市内の会社に勤める会社員です。
Aは、横須賀市内で出会える人を対象に、いわゆる援助交際を行っていました。
しかし、ある日突然横須賀市内を管轄する横須賀警察署の警察官が自宅に来て、Aを通常逮捕しました。
逮捕の連絡を受けたAの家族は、初回接見を依頼した刑事事件・少年事件を専門とする弁護士に対し、援助交際で金を出した「買春」の側、及び金を受け取った「売春」の側が、それぞれどのような罪に当たるのか質問しました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【援助交際について】
【売春について】
【買春について】
【身柄解放活動について】
刑事事件を起こしたという嫌疑をかけられている場合、在宅で捜査を受ける場合と、逮捕・勾留などの身柄拘束される場合があります。
逮捕や勾留は刑罰ではありません。
あくまで警察や検察などの捜査機関が捜査に必要な場合にのみ行われる手続ですので、刑罰とは別です。
とはいえ、在宅事件の場合には自宅で通常どおりの生活を送りつつ連絡があった場合に出頭して取調べを受けるのに対し、身柄事件の場合は警察署の留置場などで身柄拘束されて取調べを受けるため、会社や学校に行けないなどの不利益が生じます。
よって、御本人や御家族の方は、身柄解放活動を望まれることでしょう。
以下で、各々のタイミングに応じた身柄解放活動について検討していきます。
①逮捕されたものの勾留はされいていない
まず、被疑者が捜査機関に逮捕された場合、48時間以内に検察庁に送致されます。
被疑者は検察官の前で弁解を行い、検察官はその弁解を聞いた上で勾留を請求するか否かを検討します。
勾留請求をしなかった場合には被疑者は釈放されますが、勾留請求をした場合には裁判所に行って裁判官の勾留質問が行われ、その様子を踏まえ裁判官は勾留するか否かの判断を下します。
この時点で弁護士に依頼をしている場合、まずは検察官に対して勾留請求をしないよう働きかけることが考えられます。
また、勾留請求された場合であっても、裁判官に対して勾留決定をしないよう働きかけます。
具体的には、逃亡の恐れや証拠隠滅の恐れがなく、身元引受人がいて監督の体制が整っていることを主張する書面などを提出していくことになります。
②逮捕された後、勾留もされてしまった場合
既に勾留が付いてしまった場合、考えられるのは勾留裁判の取消しを求める準抗告を行うか、検察官の職権での釈放を求めることが考えられます。
前者については、⑴①と同様に勾留の必要性がないことを主張する場合、あるいは⑵勾留決定後に事情変更がある場合に、裁判所に対して異議申立を行うことを意味します。
但し、⑴については一度裁判官が勾留の決定を下していることから、たとえ別の裁判官(3名での裁判体)が判断するとはいえ、覆すことは容易ではありません。
後者については、例えば被害者がいる比較的軽微な事件で示談が出来た場合等に、検察官の職権での釈放を求めます。
それでも検察官が納得しない場合などには、⑵のような形で準抗告を行っていくことも検討されます。
③逮捕・勾留された後、起訴されてしまった場合
勾留期間(最大で20日間)が経過した後、被疑者は処分保留で釈放されるか、起訴されることになります。
起訴された場合、(略式の手続を除き)刑事裁判になり被告人の処罰について検討されます。
勾留されている方が起訴された場合、起訴後まずは2カ月間、その後も1カ月毎に手続を行うことで勾留の延長が行われます。
つまり、基本的には判決が言い渡されるまでは勾留は続きます(起訴後勾留)。
この場合、弁護側(被告人側)は「保釈」を求める弁護活動を行う必要があります。
保釈は、基本的に弁護側が裁判官に請求を行い、裁判官が保釈を認めた場合に言い渡された保釈金を納付することで釈放されるという身柄解放活動です。
保釈は、事件が複数件ある場合には再逮捕・再交流の可能性があるため請求のタイミングが難しく、また、否認事件などでは罪状認否が終わってから出ないと認められない場合等も考えられるため、検察側との事前調整や裁判官との交渉が重要になります。
神奈川県横須賀市にて、御家族が援助交際をしたことにより逮捕・勾留され、身柄解放活動を求める場合には弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部に御連絡ください。