刑の減軽②
- 2020年9月30日
- コラム
刑の減軽②
昨日のブログに引き続き、刑の減軽について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。
前回の続きです。
【ケース】(前回と同じ)
神奈川県横浜市泉区在住のAは、定年を迎え、子供たちも独立して妻と二人で穏やかに暮らしていました。
しかしあるとき、突然横浜市泉区を管轄する泉警察署の警察官から電話がかかってきて、息子を強制性交の疑いで逮捕したと言われました。
詳細が何もわからず、どのように対処すればよいか分からなかったAは、刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼しました。
≪このケースはフィクションです。≫
【強制性交等罪で考えられる刑の減軽の種類】
前回のコラムでは、刑の減軽がなされた場合にどのような方法で減軽されるかに着目しました。
今回は、強制性交等罪において、どのような場面で刑の減軽がなされる可能性があるのかを見ていこうと思います。
・強制性交等罪が未遂であった場合
まず、刑の減軽の例の一つとして未遂が挙げられます。
未遂
刑法第43条
「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する」
前半にあるように強制性交等罪に着手したが、既遂には至らなかった場合は刑の減軽がなされることがあります。
例えば、性交をしようとして服を脱がせたが、被害者に抵抗されたり、他に人が来たりしたため挿入には至らなかった場合などです。
この場合は「減軽することができる」とあるように必ず刑の減軽がなされるというわけではありません。
そして、条文の後半については、自らの意思で犯罪を中止した場合は必ず刑が減軽又は免除されると規定されています。
こちらの具体例としては、性交をしようとして服を脱がせたが、泣いている被害者を見てかわいそうになり自らの意思で犯罪を中止した場合などが挙げられます。
前半を障害未遂というのに対して後半を中止未遂といいます。
必ず刑が減軽又は免除される中止未遂が認められるためには、自らの意思で中止したことを明確にしなければならないので、主張していく場合は弁護士のアドバイスが必要となってくるでしょう。
・情状酌量の余地がある場合
次に、刑が減軽される場合として酌量減軽があります。
酌量減軽
刑法第66条
「犯罪の情状に酌量すべきものがあるときは、その刑を減軽することができる。」
強制性交等罪が既遂になっていたとしても、情状に酌量すべきものがあれば減軽される可能性があります。
具体的には、犯行態様が悪質でない場合や被害者との示談が成立した場合などが挙げられます。
特に被害者との示談成立は重要な情状となります。
また、もしも起訴されてしまう前に被害者との示談が成立していれば、不起訴処分を獲得できる可能性もあります。
ただ、強制性交等罪の被害者と示談交渉をしていくことは決して容易ではありません。
そのため、少しでも示談成立の可能性を高めたいという場合には、事件の早い段階で示談交渉に強い弁護士に相談した方がよいでしょう。
今回は強制性交等罪の際に考えられる代表的な刑の減軽事由を見てきましたが、このほかにも、刑法第42条に規定されている自首や刑法第39条2項心神耗弱、刑法第36条2項の過剰防衛などの刑の減軽事由があります。
具体的事例において、刑の減軽の可能性があるかどうか、については専門的な知識や経験が必要となってきます。
そのため、刑事事件でお困りの際には、刑事事件に強い弁護士にできるだけ早く依頼した方がよいでしょう。
刑事事件に強い弁護士であれば、刑の減軽事由がある場合に効果的に主張していくことはもちろん、情状酌量や不起訴を目指した示談交渉についても安心してお任せいただくことができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部では、刑事事件、示談交渉に強い弁護士が無料法律相談、初回接見を行っています。
神奈川県横浜市泉区にて、御家族が強制性交等罪などの刑事事件で逮捕され、刑の減軽についてしりたいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部に御連絡ください。
御予約窓口:フリーダイヤル0120-631-881